”ice storm-アイスストーム”って何?
”ice storm”= 氷雨を伴う暴風で、あらゆるものを氷で覆ってしまう自然現象の事。
トロントで”ice storm”が起こる多いケース
まず、冷たい空気が北のアイルランドやカナダ北部から、そして暖かい空気が南のアメリカの方からトロントに来ます。
暖かい空気の層の位置する高さが、冷たい空気の位置する層より、低い位置にある時、
暖かい空気の層が冷たい空気の層の下に潜り込み、結果、上昇します。
暖かい空気の層は、冷たい空気の層に冷やされた結果、”過冷却”の状態になり、
その為、零度以下でも”液体”の状態を保ったまま、”雨”として地上に落ちてきます。
過冷却の状態にある水(液体)の”雨”は零度以下でも”液体”の状態を保っているので、
その”雨””の粒は僅かな刺激でも、あっという間に”個体”の”氷”に状態が変化してしまいます。
その結果、地上である道路・電線・木々・標識・車・屋根等、あらゆる地上のものが、その”雨”に触れた瞬間そこに氷が張ります。
”ice storm-アイスストーム”の科学的な詳細説明
”過冷却”とは? ”ice storm” を科学的な詳細をご説明させて頂きます。
過冷却=英語では”supercooling””undercooling”と言います。
過冷却は、物質の相変化において、変化するべき温度以下でもその状態が変化しないでいる状態を指します。
過冷却の理由は、過冷却においては”微小相の発達が不十分で、相転移が行われない為”です。
例えば、液体が凝固点を過ぎて冷却されても固体化せず、液体の状態を保持する現象です。
具体的な例としては、(”ice storm”もこのケースです)水であれば摂氏零度以下でもなお凍結しない状態を指します。
過冷却は、”第一種相転移”でいう”準安定状態”という状態にあたります。
”第一種相転移(phase transition of the first kind)”は、
液体を構成する分子が結晶化過程にある事を指し、また第一種相転移の転移点は圧力により変化します。
”準安定状態(metastable state)”は、真の安定状態では無いが、
大きな乱れが与えられない限り安定に存在できるような状態の事を指します。
液体を構成する分子が結晶化過程”第一種相転移”に移行するためには、
物理的刺激によって核となる微小な相を生成させる必要がありますが、
過冷却においては微小相の発達が不十分で、相転移が行われません。
逆に言えば、過冷却状態にある水に何らかの刺激(振動など)を加えると、急速に結晶化する(接種凍結)。
つまり、簡単に言うと、水の場合は、衝撃を与えると急激に凍ります。
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