カナダ、食料品価格のインフレ、消費者の支出は減少

トロントの経済・職

カナダの経済全体のインフレ率は2023年に顕著に鈍化しました。
COVIDパンデミック後の最初のインフレ高進をもたらした特殊要因(主要商品の不足、サプライチェーンの寸断、世界的な原油価格ショックなど)は、ほぼ沈静化しました。
カナダやその他の国の中央銀行が課した高金利は、経済成長と雇用創出を弱体化させ(2023年第3四半期のカナダのGDPは0.3%縮小)、消費力と物価をさらに弱めました。


2024年カナダの食料品価格の予測、インフレ率

Richard Southern– リチャード・サザンは、2024年の食費がいくらになるかを予測し語っています。

The 14th annual food price report– 第14回食品価格報告書が木曜日に発表され、カナダ国民がインフレにもかかわらず、食品の量や質を減らしたり、より安価な代替品で代用したりして、いかに出費を抑えているかに焦点が当てられました。
Canada’s 2024 Food Price Repor– カナダの2024年食料価格報告書では、2024年の食費は全体的に2.5〜4.5%上昇すると予測しています。

Dalhousie University– ダルハウジー大学の教授で Agri-Food Analytics Lab– 農業食品分析研究所の所長であるシルヴァン・シャルルボワ氏によると、2023年には食料品部門のすべてのセクションがインフレの影響を受けたとい述べた上で下記のように語っています。
「新年のインフレは ”soft landing– ソフトランディング” し、冷え込むと予想されます。そして、price war– 価格競争も予想されます。食料品店やサプライヤーにとって、今まさに状況は厳しくなっています。インフレ率は2.5%から4.5%を予想していますが、その threshold– 閾値を下回っても驚きません。」

また、Sylvain Charlebois– シャルルボワ教授は、カナダ人は一般的にインフレを非難しますが、この食品部門には必要なものだと述べてた上で次にように語っています。
[inflation]- インフレは investments– 投資のために必要であり、competition– 競争力を高めるために必要であり、企業の技術革新と食品の安全性を確保するために必要なのです。ここ数年の課題は、インフレ率があまりにも長い間高すぎたことです。我々は、2024年に、その諺にある sweetspot– スイートスポット(最もバランスの良い点)に戻っても驚かないでしょう。」

People-shop-in-a-grocery-store-in-Montreal-Wednesday-Nov.-16-2022.-THE-CANADIAN-PRESS

2024年 カナダ食品価格、予想インフレ率

  • Bakery: 5% to 7%
  • Dairy: 1% to 3%
  • Fruit: 1% to 3%
  • Meat: 5% to 7%
  • Other: 2% to 4%
  • Restaurants: 3% to 5%
  • Seafood: 3% to 5%
  • Vegetables: 5% to 7%

食品価格の地方別内訳

Canada’s 2024 Food Price Repor– カナダの2024年食料価格報告書によると、retail food sales data– 食料品小売売上高データは、2022年の8月の一人当たり月間支出 $261.24 から、2023年8月の一人当たり月間支出 $252.89 への減少を示しています。

価格上昇の原因は様々で、wildfires– 山火事や flooding– 洪水など、収穫に悪影響を及ぼす climate events– 気候変動が全国で発生しています。

Grocery prices set to rise in 2024 expert
source: Courtesy the Agri-Food Analytics Lab at Dalhousie University

source: citynews.ca

食品価格の高騰に苦しむカナダ国民

基本的な生活必需品をまかなうのに苦労しているカナダ人にとって、食品価格のインフレは特に大きな課題でした。
食品インフレも鈍化していますが、全体的なインフレ率よりは依然として高いです。
2023年10月までの12ヵ月間(最新データ)の食品価格は5.6%上昇し、一般的なインフレ率は3.1%でした。
カナダの食品小売部門を支配する大手スーパーマーケット・チェーン(大手3社で食料品売上全体の約3分の2を占める)に対する国民の怒りは依然として強いです。


そして、2024年もカナダ人は grocery spending– 食料品への支出で一息つくことはできないようです。
カナダの一流大学が先週発表した「Canada’s Food Price Report 2024– カナダ食品価格レポート2024」によると、overall food prices– 食品価格全体は2.5%から4.5%上昇すると予測しています。

 Canadas-Food-Price-Report-2024

つまり、カナダの平均的な4人家族が、2024年に食費に費やす金額は $16,297.20 になり、昨年より最大 $701.79 増加すると予想されています。

過去1年間、federal government– 連邦政府は、食料品・食品コストの引き下げが main priority– 最優先課題であるとし、overall competition in Canada’s grocery sector– カナダの食料品部門における全体的な競争を高めるため、Canada’s Competition Act– カナダ競争法の改正を目指す法案 Bill C-56 を提出しました。

source: www.blogto.com/eat_drink/2023/12/climbing-food-prices-canadians-grocery-bills-2024/, www.blogto.com/eat_drink/2023/09/affordable-housing-and-groceries-act/


法案C-56 /
Affordable Housing and Groceries Act, Bill C-56

HOUSE OF COMMONS OF CANADA-Bill C-56

2023年9月21日、House of Commons of Canada– カナダ下院に「The Affordable Housing and Groceries Act, Bill C-56– アフォーダブル住宅・食料品法」が上程されました。
Bill C-56 詳細 → The Affordable Housing and Groceries Act, Bill C-56

同法案には2つの部分があります。
1つ目は、新規の賃貸住宅開発に対する物品サービス税(GST)を一時的に撤廃するもので、
2つ目は、競争関連の3つの改正からなります。

Bill C-56– 法案C-56の修正案では、産業大臣の役割が拡大され、競争政策の執行プロセスが政治化されることが予想されます。
法案に対する批判的な人々は、食料品セクターは近年のマクロ経済的な不利な衝撃に見舞われている低収益産業であるとの調査結果もあることから、競争政策が食料品セクターの価格インフレの抑制に役立つ可能性は低いと指摘しています。
カナダビジネス協会は、修正案の広範に及ぶ可能性のある影響を検討するための協議が不十分であったと述べています。

source: wikipedia


価格が上がる食品、下がる食品

Sylvain Charlebois– シャルルボワ教授は、消費者は特定の食品のコストについて安心すべきだと述べています。
彼は、コーヒー、小麦粉、小麦、乾燥パスタを、価格低下の点で注目すべきものとして挙げています。

「乳製品もです。秋に委員会から良いニュースがありました。Farm prices– 農産物価格は1.7%から2%上昇するでしょう。dairy section– 酪農部門が大きく跳ね上がることはまったく期待していません。」

Sylvain Charlebois– シャルルボワ教授によれば、meat section– 食肉部門はコスト高という点で問題があり、vegetables and the bakery sector– 野菜やベーカリー部門も同様だと述べています。

 カナダの食品価格、2024年に食料品のインフレが劇的に鈍化-1.
According to Statistics Canada’s food retail data, Canadian consumers are spending less. Photo: Unsplash.

カナダの消費者の支出は減少

Statistics Canada– カナダ統計局の food retail data– 食品小売データによると、カナダの consumers– 消費者のspending– 支出は減少しています。

Sylvain Charlebois– シャルルボワ教授は次のように述べています。

The vegetable play– 野菜の動きは dollar– ドルについてのここ2~3年の話はこうです。
interest rate– 金利と potential recession– 景気後退の可能性から、dollar weaken– ドル安が進むかもしれません・・・それは importers– 輸入業者の purchasing power– 購買力に影響を与えるでしょう。」

meat section– 食肉部門では、アメリカとカナダの droughts– 干ばつにより牛肉が増加するでしょう。Poultry– 鶏肉は鳥 Avian Flu– 鳥インフルエンザの影響で増えるでしょう。今年は豚肉が安くなったので、豚を飼う農家が減りました。供給が少なくなっています。結局、今後しばらくは価格が上昇することが予想されます。」

it won’t be as alarming in 2024 as in years past.- 2024年には過去数年ほどの憂慮すべき事態にはならないでしょう。2023年や2022年ほど悲惨な状況ではないということです。」

「最悪の事態は過ぎ去ったと思います。それは良いニュースだと思います。この様なニュースはここ2~3年はなこあったことです。消費者が deflation– デフレを望んでいるのか、または、deflation– デフレの意味を理解しているのかはわかりません。 deflation– デフレになれば、企業は divest– 撤退し、物価は再び高騰するでしょう。food industry– 食品業界では価格が下がることを望んでいるのではなく、deals– 取引が欲しいのでしょう。」

 Canadians-Buying-Less-Physical-Groceries

上記データは、消費者が以下のような方法を模索していることを示しています。
こうした戦略には、ファーマーズ・マーケットのような別の食品流通手段を利用したり、フードバンクを利用したり、あるいは消費する食品の量を減らしたりすることも含まれます。


食費の管理と生活費の比較

生活費が住民の食費にどのような影響を及ぼしているかを示すもう一つの indication– 指標として、この報告書は、カナダ人が家賃や utilities– 光熱費の高騰、personal debt– 個人負債の増加など、さらなる圧力に facing– 直面していることを示しています。

因みに、Food inflation– 食品インフレとは、すべての食品の価格が徐々に上昇することであり、food price increase– 食品値上げとは、retail level– 小売レベルでの製品価格の上昇を指します。

Canada’s 2024 Food Price Report– カナダの2024年食料価格報告書によると、
2023年の predictions– 予測に基づくと、男性(31〜50歳)、女性(31〜50歳)、男の子(14〜18歳)、女の子(9〜13歳)という demographic composition– 人口構成の家族の total annual expenditure– 年間総支出は、当初、健康的な食事と考えられるものに基づいて、$16,288.40 になると予測されていました。

カナダの食品価格、2024年に食料品のインフレが劇的に鈍化-2

2023年は、 spending habits of Canadians– カナダ人の消費習慣の減少を考慮し、4人家族の昨年の年間支出をより正確に見積もると、$15,595.40.4 となります。
言い換えれば、食品価格の上昇にもかかわらず、買い物習慣の変化により支出が $693 少なかったということです。

専門家によれば、カナダ人は2024年も food inflation– 食品インフレの負担を経験し続け、さらに住宅、エネルギー、various other expenditures– その他様々な支出のコスト増が重なります。

さらに、Canada’s 2024 Food Price Report– カナダの2024年食品価格報告書によると、新年は「mild deflationary trend– 穏やかなデフレ傾向」が見られる可能性があり、その結果、numerous essential food items– 多くの必須食料品の価格が低下します。


2020年の食品価格のチラシにショックを受けるトロント市民

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4年前の Food Basics チラシ(上画像)が、その後の食料品価格の高騰を指摘し、ネット上で波紋を呼んでいます。
2020年からのチラシは、週末に Toronto Reddit 掲示板にシェアされ、鶏のもも肉やドラムスティックが1ポンドあたり $2.99 という低価格であることや、チョコレートミルクが1リットル容器2本で3ドルであることが明らかになりました。
昨年2023年1月には、トロントの Loblaws の鶏胸肉5パックが1ポンドあたり $12.25 近い価格設定であったため、多くの買い物客の怒りを買いました。

source: toronto.ctvnews.ca


企業行動と大手食料品店の利益

カナダ人は買い物を控えてディスカウントストアに行きますが、節約しようと家庭での食事も増やしており、これは benefits the grocers– 食料品店に利益をもたらしています。

Loblaw』のような Major Canadian grocers– カナダの大手食料品店は、Canadian food prices– カナダの食品価格を安定させるよう圧力を受けています。
The federal government– 連邦政府は、割引や promotions– 販売促進、 その他の measures– 対策を通じて address rising food costs– 食費の上昇に対処するための詳細な計画を提示するよう求めています。

Canada’s 2024 Food Price Repor– カナダの2024年食料価格報告書は、prevalent issue of food affordability– 食料の値ごろ感という一般的な問題に触れており、年間を通じて物価が上昇し続けるなか、それが a top concern– 最大の懸念事項であり続けたことを述べています。

「カナダの大手食料品チェーンによる allegations of profiteering– 利益供与の疑惑がメディアで頻繁に報道され、subject of government attention– 政府の注目の的となっています。

「カナダ人の30.3%が、escalating food prices– 食品価格高騰の主な原因は price gouging– 価格操作であると考えています。」

Canada’s Food Price Report of 2024– 2024年カナダ食品価格報告書』は、Dalhousie University– ダルハウジー大学、University of Guelph– ゲルフ大学、University of British Columbia– ブリティッシュ・コロンビア大学、University of Saskatchewan– サスカチュワン大学が共同で毎年発行しています。


カナダの食料品店が過去最高の利益へ-TOP-0

記録的な利益を得るカナダの食料品店

多くのカナダ人が食料品の高騰に苦しむ一方で、カナダの食料品店は2023年に過去最高の利益を上げると予想されています。
これは、12月10日に発表された Centre for Future Work の新しいレポートによります。
同報告書によると、Loblaw Companies– ロブロー・カンパニーズの Galen Weston Jr– ゲイレン・ウェストン・ジュニア氏などのスーパーマーケット経営者は、食料品価格の高騰から利益を得ていないと主張しているが、そうとは言い切れないと述べています。


Centre for Future Work の分析

Centre for Future Work– センター・フォー・フューチャー・ワークによると、2023年の food retailers– 食料品小売業者の利益は $6 billion– 60億ドルを超えると予想されています。
同研究所が発表した新しいデータによると、食品小売業者は COVID-19 の大流行前に比べて2倍以上の利益を得ている。

Statistics Canada– カナダ統計局のデータを用いた報告書によると、food and beverage retailing– 飲食料品小売業の net income margin– 純利益率は2021年半ば以降、常に total revenues– 総収入の3%を超えており、2015年から2019年の平均利益率の2倍以上となっています。

このデータは、retailers– 小売業者がパンデミックとその aftermath– 余波を利用して profits– 利益を増やしたことを示唆していると述べています。


報告書は、food retailers– 食品小売業者の record profit levels– 記録的な利益水準は、food manufacturing– 食品製造業や food retail sector– 食品小売業に供給する input industries– 投入産業(エネルギーなど)の利益とは対照的であると指摘しています。

これらの sectors-セクターでは、2022年の record highs seen– 記録的な高水準から profits– 利益は大幅に減速しています。
Industry-wide data– 業界全体のデータも、profit margin of grocery retail– 食料品小売業の利益率は変わっておらず、食品コストと価格の上昇に追いついているという主張を裏付けていません。

これは、カナダ国民が continue to struggle with food prices– 食料価格の高騰に苦しみ続けている時期の出来事です。


食料品店は2023年度、過去最高益を上回る可能性

上記の動画は、Canadian Federation of Independent Grocers– カナダ独立食料品小売業連盟の Gary Sands– ゲリー・サンズ氏が、カナダ初の grocery code of conduct– 食料品行動規範と、それが食料品価格の引き下げに役立つと考える理由について語っています。(2023年11月28日)

大手食料品店は、カナダ国民の食料品価格の安定に役立つ計画を制定するよう、政府から圧力を受けています。
この秋の初め、食料品大手5社のトップが政府に呼び出され、計画を発表しました。
また、食料品業界は、完成間近の grocery code of conduct– 食料品業界行動規範に署名するよう圧力を受けています。

source: globalnews.ca/news/10162254/grocer-profits-2023-food-prices/


自由党(Liberals)を苦しめる生活費

専門家によれば、inflation– インフレと interest rates– 金利が自由党の支持率を下げているため、Liberals– 自由党はカナダ国民に再び経済を売り込む方法を見つけなければなりません。

最近の世論調査では、cost-of-living issues– 生活費の問題が federal politics– 連邦政治を支配しているため、政府は Conservatives– 保守党を引き離しています。

Abacus Data– アバカス・データ社のCEOである David Coletto– デビッド・コレット氏によれば、2022年3月に Bank of Canada– カナダ中央銀行が first interest rate hike– 最初の利上げを行った頃から、世論調査で Conservatives(Tories)- 保守党が Liberals– 自由党を追い抜き始めたといいます。その差は今年の夏にかなり広がり、Tories– 保守党が2桁のリードを持つに至りました。

Finance Minister Chrystia Freeland– クリスティア・フリーランド財務相の head of economic strategy and planning– 経済戦略・企画責任者である Tyler Meredith– タイラー・メレディス氏は、カナダ人が much higher interest rates– かなり高い金利でtheir mortgages– 住宅ローンを更新し始めたからだと言います。

U.S. President Joe Biden– ジョー・バイデン米大統領や U.K. Prime Minister Rishi Sunak– リシ・スナック英首相など、世界中の Incumbent leaders– 現職指導者たちは、カナダの Prime Minister Justin Trudeau– ジャスティン・トルドー首相が直面しているのと同じような experiencing challenges– 困難に遭遇しています。


2024年カナダの税制改正

2024年カナダの税制改正-1

2024年に行われるカナダの税制改正に付いての情報の詳細を紹介しています。炭素税・アルコール税・固定資産税など様々な増税、食費・住宅費・生活用品などの物価の上昇による経済的な負担の増加、そして、収入の減少などについて、「カナダ納税者連盟」が発表している「新年税制改正レポート」に基づき、専門家の見解を併せて紹介致します。
2024年カナダの税制改革


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