トロントで目にする信号機「X」?
トロントの街を歩いて、学校の近くや、少し閑静な住宅地の辺りを通りかかると、上記の様な交差点に出会います。横断歩道の両サイドの電柱から電線の様なもので架かる、黄色の標識・信号機「X」です。
トロントに初めて来たと当時、この黄色の標識・信号機「X」について、とても気になった事を今でも覚えています。
結論から言うと、この横断歩道の両サイドの電柱から電線の様なもので架かる、黄色の標識・信号機「X」は、「Pedestrian Crossovers (PXO)という、信号機のない道路を歩行者が安全に横断するための指定横断歩道」の事なのです。
正式名称:Overhead X Sign (別名: PEDESTRIAN CROSSOVER Sign)
正式名称は、Overhead X Sign (別名: PEDESTRIAN CROSSOVER Sign)、略称は「WC-20」と言います。また、サイズも決められており、例えば標準サイズは「40 x 90 cm」です。
この「Pedestrian Crossovers (PXO)という、信号機のない道路を歩行者が安全に横断するための指定横断歩道」は、近くに学校が有る場所や公園が有る場所に設置されている場合が多いです。(後に紹介致します。)
学校の登下校の時間帯、この「Pedestrian Crossovers (PXO)という、信号機のない道路を歩行者が安全に横断するための指定横断歩道」には、旗やライトを持った交通整備する人が立ちます。この横断歩道を登下校する子供が渡る際、その交通整備する人が車を止めてくれます。
道路を横断したい歩行者は、上記の様に設置されている機器のボタンを押します。すると、「Pedestrian Crossovers (PXO)という、信号機のない道路を歩行者が安全に横断するための指定横断歩道」の両サイドの電柱から電線の様なもので架かる、黄色い標識・信号機「X」が点灯します。
この黄色い標識・信号機「X」が点灯すると、「Pedestrian Crossovers (PXO)という、信号機のない道路を歩行者が安全に横断するための指定横断歩道」に差し掛かる車は減速し止まらなければならないルールになっているので、その間に横断します。
本当に、車は止まってくれるのか?「Pedestrian Crossovers (PXO)という、信号機のない道路を歩行者が安全に横断するための指定横断歩道」に向かってくる車に最初は、恐々していましたが、車は必ず止まってくれます。勿論、横断する際は、車が止まった事を確認して渡ってくださいね。
Pedestrian Crossovers (PXO)とは?
Pedestrian Crossovers (PXO)は、信号機のない道路を歩行者が安全に横断するための指定横断歩道です。
より簡潔に言うと、歩行者が道路を横断できるように指定されたエリアという事です。
PPedestrian Crossovers (PXO) 指定横断歩道は、歩行者が横断するための標識、ライン、マーキング、点滅する頭上の黄色のライトが目印で、交差点に設置されることもありますが、一般的には学校や公園の近くのブロックの途中に設置されます。
Pedestrian Crossovers (PXO)が意味するもの
- Pedestrian Crossovers (PXO)は、信号機のない道路を歩行者が安全に横断するための指定横断歩道です。
- 指定横断歩道 Pedestrian Crossovers(PXO)は、信号機のない道路を歩行者が安全に横断するための指定横断歩道です。
- この横断歩道には、頭上に黄色のライトや黄色標識「X」のライトが設置されており、押しボタンで頭上と側面に設置された、この自動点滅信号(頭上に黄色のライトや黄色標識「X」のライト)が作動し、ドライバーや自転車に歩行者が横断することを警告します。
歩行者が横断することをドライバーや自転車に警告します。 - ドライバーとサイクリストは、横断歩道上の歩行者に道を譲らなければなりません。
- また、自転車は横断歩道を利用する際には降りなければなりません。
Pedestrian Crossovers (PXO)における、歩行者の交通ルール
上のイメージ図を参照ください。
1) ボタンを押す
2) 停車して交通渋滞を確認する
交通量の減少を確認
3) 注意しながら、進んでください
Pedestrian Crossovers (PXO)のおける、ドライバーの交通ルール
上のイメージ図を参照ください。
- Pedestrian Crossovers (PXO)に近づくときは十分に注意し、歩行者がいたり、自動点滅信号(頭上に黄色のライトや黄色標識「X」のライト)が作動したりした場合は、停止する準備をしてください。
- 歩行者がいる場合や自動点滅信号(頭上に黄色のライトや黄色標識「X」のライト)が作動した場合は、停止する準備をしてください。
Pedestrian Crossovers (PXO)に関する、道路交通法
S.140(1) of the Highway Traffic Act– 道路交通法の140条1項では、歩行者が横断歩道を渡っている場合、接近してきたドライバーは横断歩道の手前で停止しなければならず、すでに横断歩道で停止している他の車両を追い越してはならないことになっています。
さらに、同法 S.140(1) of the Highway Traffic Act– 道路交通法の140条3項では、30メートル以内の横断歩道に接近する際、運転者が他の走行中の車両を後方から追い越すことを禁止しています。これは、法律や標識に横断歩道が占有されているという規定がないため、いつでも適用されます。
頭上の自動点滅信号(頭上に黄色のライトや黄色標識「X」のライト)が点滅していてもいなくても、上記の法律は適用されます。
Pedestrian Crossovers (PXO)– 歩行者優先横断歩道は、低~中程度の交通量の低速道路(公称速度60km/h以下)を対象としており、「Annual average daily traffic (AADT)– 道路交通量が年間平均一日交通量35,000を超える場所」では使用されていません。
因みに、2019年7月24日現在、トロントには480の歩行者優先横断歩道があります。
PXOのメリット- Advantages of a Pedestrian Crossovers (PXO)
- 歩行者に交通を横断する最短ルートを示すことができます。
- 歩行者が対向車から最も見えやすい位置に配置できる。
- 夜間に車道を横断する歩行者の視認性を高めることができます。
- 歩行者の通行経路を特定の場所に限定することができます。
- 歩行者横断規制の実施に役立つ。
- 歩行者との衝突が予想される場所に近づいていることを運転者に知らせることができる。
PXOのデメリット- Disadvantages of a Pedestrian Crossovers (PXO)
- 歩行者が安心感を得られず、車両との間に不必要な危険が生じる可能性があります。
- 歩行者は、車が止まれないような危険な状況であっても、すべての場合において車が止まってくれると考えてしまう可能性があります。
- 歩行者が自動車の意図を見誤り、適切な車間距離を取らないため、追突事故が多発する可能性があります。
- 歩行者と自動車の両方の負傷者が増える可能性がある。
- 必要のないときに設置されると、歩行者規制や交通規制を軽視するようになる可能性があります。
Ped Xing Ahead とは?
車道に「Ped Xing Ahead」と描かれているのを見かけることがあります。
- PED XING
PED=Pedestrian=歩行者、XING=Crossing=横断、つまり、横断歩道を表します。
例:「PED XING AHEAD」=「この先、横断歩道あり」
カナダ・オンタリオ州における、
4種類の Pedestrian Crossovers (PXO)
Pedestrian Crossovers (PXO)は、「信号機のない道路を歩行者が安全に横断するための指定横断歩道」ですが、この指定横断歩道 Pedestrian Crossovers (PXO)は、特定の標識、舗装上の表示・照明によって識別されます。中には、頭上にライトアップされた警告標識や、歩行者用押しボタンが付いているものもあります。
オンタリオ州には、上図イメージの様に、大きく分けて、4種類の「Pedestrian Crossovers (PXO)– 信号機のない道路を歩行者が安全に横断するための指定横断歩道」があります。
A: 頭上にライトアップされた警告標識・歩行者用押しボタンが付いているタイプ
B:特定の標識、舗装上の表示のみのタイプ
C: 特定の標識、舗装上の表示・照明が付いているタイプ
D:特定の標識、舗装上の表示・照明、頭上に警告標識が有るタイプ
Driving laws for pedestrian crossovers and school crossings-
横断歩道と学校の横断歩道の運転法
そもそも、カナダ・オンタリオ州において、「Driving laws for pedestrian crossovers and school crossings– 横断歩道と学校の横断歩道の運転法」には、下記の様に定められています。
「サイクリストを含むドライバーは、横断歩道や学校の横断歩道、その他の横断警備員がいる場所では、一旦停止して車道全体を譲らなければなりません。歩行者や学校の横断警備員が横断し、安全に歩道に出てきて初めて、ドライバーやサイクリストは進むことができます。」
この「Driving laws for pedestrian crossovers and school crossings– 横断歩道と学校の横断歩道の運転法」は、学校の横断警備員がいない限り、停止標識や交通信号のある交差点の横断歩道には適用されません。
横断歩道とは、通常、交通信号、歩行者用信号、停止信号のある交差点で見られる横断場所のことです。横断歩道は以下のようなものがあります。車道の反対側にある歩道を連続した道につなげる車道の部分、または
交差点を含む任意の場所の道路表面に、標識、線、その他のマーキングによって歩行者の横断を示す道路の部分。因みに、学校横断歩道とは、学校横断警備員がいて、学校横断用の停止標識を表示している横断歩道のことです。
動画:Pedestrian Crossover (PXO)
上記の動画は、カナダ・オンタリオ州南西部のエセックス郡にある都市、Windsor– ウィンザー市の動画です。Pedestrian crossovers (PXO)の参考動画として是非ご覧ください。2018/08/10当時、カナダ・オンタリオ州ウィンザー市で導入されている2つの新しい Pedestrian crossovers (PXO)のうち、最初のものが Wyandotte Street East and Chilver Road– ワイアンドット・ストリート・イーストとチルバー・ロードの交差点に開通しました事を紹介する動画です。
source: http://www.mto.gov.on.ca/english/safety/pedestrian-safety.shtml
VisionZero-PedestrianBrochure_Web_sm
source: https://www.toronto.ca/wp-content/uploads/2018/07/961f-VisionZero-PedestrianBrochure_Web_sm.pdf
コメント