カナダ国民55人の命が奪われた、
ウクライナ国際航空752便撃墜事件
2021年1月8日の Big Story podcast – ビッグ・ストーリー・ポッドキャストが、次のように紹介しています。「当時は、このウクライナ国際航空752便撃墜事件が、2020年の最悪の災害になるかもしれないと思われていました。」
ウクライナ国際航空752便がイランで撃墜された時、乗客と乗員176人、うち55人のカナダ人が死亡しました。数ヶ月後には、事件の真実を求める遺族やカナダ国民の叫びは、新型コロナウイルス(COVID-19)の止まらない勢いによってかき消され、犠牲者を愛する遺族や人々は、まだ答えと正義を求め探し続けています。
2020年1月8日、ウクライナのキエフ郊外のボリスピル国際空港内にある記念碑で、テヘラン郊外に墜落したウクライナ機737-800型機の乗務員の写真の前に花とキャンドルが置かれています。
遺族の心の叫び
遺族の一人は次のように訴えかけています。
「犠牲者を愛する遺族や人々の心の整理がつく為に、必要かつ具体的な情報を得る為に、いったい何ができるのでしょうか?
正義とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
世間が悲劇を忘れて、何事もなかったかのように、毎日を生きている … それはどんな感じなのですか?」
The Big Story – Frequency Podcast Network:
今日のカナダを形作っている問題、文化、性格等について掘り下げて紹介しているポッドキャスト。
→ https://thebigstorypodcast.ca/2021/01/08/its-like-walking-in-darkness-one-year-since-flight-752/
2021年1月8日のニュース映像:
ウクライナ国際航空752便撃墜事件の犠牲者を偲ぶ
ウクライナ国際航空752便撃墜事件から一年が経ちました。ウクライナ国際航空752便が、イランから離陸した直後、イラン軍によるミサイル攻撃をうけました。犠牲者の家族や愛する人々の苦悩の日々が続いています。
カナダの Trudeau – トルドー首相は、このウクライナ国際航空752便撃墜事件が起きた1月8日を、カナダは「航空災害犠牲者追悼のナショナルデー」にすると述べています。
ウクライナ国際航空752便撃墜事件
ウクライナ国際航空752便撃墜事件の概要
ウクライナ国際航空752便撃墜事件は、2020年1月8日にイランのテヘラン エマーム・ホメイニー国際空港発キエフ ボルィースピリ国際空港行きのウクライナ国際航空752便(ボーイング737-800型機)が、離陸直後にイスラム革命防衛隊の地対空ミサイルにより誤って撃墜された航空事故です。乗員乗客176人全員が死亡しました。
イランのハサン・ロウハーニー大統領はこの事件を「許されない間違い」と声明を発表しています。
当初、イラン当局は撃墜について否定し、事故原因は機械的な故障であるとしていました。ウクライナ当局も当初は機械的な故障が原因と見ていましたが、イランの発表を受けて撃墜が原因であると発表しました。
調査によれば、752便はイスラム革命防衛隊のTor-M1地対空ミサイルによって撃墜されました。事件から3日後の1月11日にイランは2発の地対空ミサイルによって752便を撃墜したと認めました。
ウクライナ国際航空752便撃墜事件の背景
この事件はペルシャ湾危機の最中に発生しました。
アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領がイランで発生したアメリカ大使館襲撃事件を受けて、バクダード空港への攻撃を指示し、これによりイスラム革命防衛隊のガーセム・ソレイマーニー少将を爆殺した。イランは報復として在イラク米軍基地を攻撃しており、撃墜事件はこの数時間後に発生しました。連邦航空局は事件の前にアメリカ籍の旅客機はイラン空域を避けるよう指示しており、同様の命令はウクライナを含む各国によっても行われていました。
専門家は報復攻撃後に空港を閉鎖しなかったイラン側の対応に疑問を呈しているます。
イスラム革命防衛隊のアミール・アリ・ハジザデは空域を閉鎖するよう要求したが拒否されたと述べています。ニューヨーク・タイムズは、イラン当局が空港を閉鎖すると、パニックが起こる事を危惧して閉鎖しなかったようだと報道しています。また、イラン当局が旅客機の存在によりアメリカ側に攻撃を躊躇させられると考え、「無防備な旅客機と旅行客を人間の盾にしたようだ」と報じています。
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