トロントは290万人以上の人口を抱え、その多様性と経験により、この大都市はカナダを代表する経済エンジンであり、世界で最も多様性に富み住みやすい都市の一つとなっています。
北米第4の都市であるトロントは、テクノロジー、金融、映画、音楽、文化、イノベーションの分野で世界をリードしており、政府、市民、企業が推進する投資により、国際ランキングの上位に常に名を連ねています。
その象徴の一つに「TORONTO SIGN– トロント・サイン」が挙げられます。
このトロントの象徴的な「TORONTO SIGN– トロント・サイン」は、観光客のみならずトロント住民ふくめ、トロントのランドマークとなっています。
それでは、「TORONTO SIGN– トロント・サイン」とはどのようなものなのか?をご紹介して行きます!
概要:TORONTO SIGN- トロント・サインとは
「TORONTO SIGN– トロント・サイン」は、現在では、 地元の人や観光客によって年に数え切れないほど写真が撮られ、Toronto City Hall– トロント市庁舎の外の比較的灰色の広場「Nathan Phillips Square– ネイサン・フィリップス・スクエア」にトロントの故郷の誇り、ランドマークとして加わっています。
あるトロント地元メディアの訪問者調査によると、「TORONTO SIGN– トロント・サイン」は、トロントで最も訪問された観光スポットのトップ3に入り、最もインスタ映えするスポットとして常にランクインしています。
「TORONTO SIGN– トロント・サイン」の映像は各地元メディアによって連日撮影され、「Toronto 2015 Pan-Am Games(※)– 2015年のトロント・パンアメリカン・パラパンアメリカンゲーム」や「2017 Invictus Games– 2017年のインビクタスゲーム」、「2019 Toronto Raptors’ NBA championship– 2019年のトロント・ラプターズのNBAチャンピオンシップ」から、現在も主要イベントの海外メディア報道の映像背景になっています。
また、この「TORONTO SIGN– トロント・サイン」は、何百ものチャリティー、地元地域のお祭り、街や住民にとって重要な日、喪に服す時の度に点灯・消灯しています。
実は、この「TORONTO SIGN– トロント・サイン」自体は、決して恒久的なものとなる予定では有りませんでしたが、「Nathan Phillips Square– ネイサン・フィリップス・スクエア」の主力となり、その色は、年間を通して様々な色でイベントや日付を表しています。
しかし、この「TORONTO SIGN– トロント・サイン」は、
なぜ、今現在の場所にあるのか?
いつから、この場所にあるのか?
それでは、ここから、もっと「TORONTO SIGN」を見ていきましょう!
最初の「TORONTO SIGN- トロント・サイン」
「TORONTO SIGN」は、元々、2015年7月に開催された「The XVII Pan American Games」通称「Toronto 2015 Pan-Am Games」(※)を記念して、トロント市の「City of Toronto’s Host City Showcase Program- ホストシティ・ショーケース・プログラム」の一環として設置されたものです。
また当初、この「TORONTO-SIGN」の設置期間は、早ければ2016年11月までという数週間でした。
つまり、現在の「TORONTO SIGN」は、2015 年 7 月に「Toronto Pan American and Parapan American Games」(※)用に設置された物の「レプリカ」というになります。
2004年にヨーロッパの都市アムステルダム市が開始した都市キャンペーンのモニュメント「iamsterdam」、「 Vancouver Olympic– バンクーバーオリンピック」の「Olympic rings- オリンピック・リング」、ニューヨークにある「”Love” statue」 、「Burning Man Arts Festival 2013」の「Believe」、2011年の「Pan Am and Parapan Am Games– パンナムおよびパラパンナム競技大会」で使用された「3D Guadalajara sign」 など、「3D letter installation– 3Dレターインスタレーション」を使用して成功した他のイベントや都市からインスピレーションを受けて、トロント市職員はこの「TORONTO SIGN」を考案し、地元のメーカーと協力して制作しました。
※「Toronto 2015 Pan-Am Games」→ The XVII Pan American Games
現在の「TORONTO SIGN- トロント・サイン」
現在(2022年12月現在)の存在している「TORONTO SIGN」は、2020年 9月、Nathan Phillips Squar- ネイサン フィリップス スクエアに設置されたものです。
厳密に言うと「TORONTO SIGN」文字に並ぶ「Maple Leaf– メープル リーフ」と「Medicine Wheel– メディスン・ホイール」は後に追加されたものです。
「TORONTO SIGN」の文字は当初、文字「T-O-R-O-N-T-O」とだけの予定でした。
しかし、「Canada 150 in 2017– 2017年のカナダ建国150周年の際には、文字「T-O-R-O-N-T-O」の右側に「Maple Leaf– メープル リーフ」が追加され、「National Indigenous Peoples Day in 2018– 2018 年の先住民の日」には、 文字「T-O-R-O-N-T-O」の左側に4 色の「Medicine Wheel– メディスン・ホイール」が追加されました。
「TORONTO SIGN」の文字「TORONTO」の外にデザインされているビニールラップは、トロントを拠点とするアーティスト、Joseph Sagaj(※)- ジョセフ・サガジによって、UNESCO’s International Decade of Indigenous Languages (2022 to 2032)(※)– ユネスコの「国際先住民族言語の 10年(2022年~2032)を記念し、デザインされた「Rekindle」というタイトルのアートワークです。
※Joseph Sagaj:ジョセフ・サガジ。カナダ先住民アーティスト。Joseph Sagaj Official Website→ Joseph Sagaj
※UNESC’s International Decade of Indigenous Languages (2022 to 2032)
source:wikipedia/Toronto Sign/Medicine wheel
紹介動画/TORONTO SIGN
設置場所/TORONTO SIGN- トロント・サイン
大きな地図を表示
「TORONTO SIGN」 設置場所の地図: OpenStreetMap (Coordinates:43°39′9″N 79°23′1″W)
3D仕様の「TORONTO SIGN」は、現在、City of Toronto– トロント市庁舎の目の前に位置する Nathan Phillips Square– ネイサン・フィリップス・スクエアに設置されています。
トロント市民や観光客、国内外のメディアが撮影する写真に、City of Toronto– トロント市庁舎の塔が Toronto-branded– トロント・ブランドの象徴的な背景となるように、reflecting pool– リフレクティング・プール(※)の北西の角に沿うように設置されています。
撮影ポイント/TORONTO SIGN-トロントのサイン
この「TORONTO SIGN」を撮影するのに最適な場所は、Nathan Phillips Square– ネイサン ・フィリップス・スクエアの reflecting pool– リフレクティング・プール(※)の南側です。この位置から見る「TORONTO SIGN」の面は、ストリート・ステッカーでデザインされています。
この場所、Nathan Phillips Square– ネイサン ・フィリップス・スクエアの reflecting pool– リフレクティング・プール(※)の南側は、reflecting pool– リフレクティング・プール(※)に映る「TORONTO SIGN」の美観をさらに高める機会を提供しています。
※reflecting pool:リフレクティング・プール(反射池)と称される周辺環境を反射して景観とする水盤の一種の英語による呼称。
背景/現在の「TORONTO SIGN- トロント・サイン」
2019年12月、トロント市は公開の競争プロセスを経て、新しい「TORONTO SIGN」の設計、建設、設置、継続的なメンテナンスの契約を、トロントに拠点を置くテレビ、映画、娯楽、マーケティング業界向けのカスタムデザインおよび製作サプライヤーである「Unit 11」に発注しました。
2020年9月10日、当時のトロント市長の「John Tory– ジョン・トリー」は、「Unit 11」が行う古い「TORONTO SIGN」の撤去の為にかかる費用を含めた金額76万ドルを、トロント市の積立金「rainy-day」資金と「civic crowdfunding– 市民クラウドファンディング」の両方によって、「TORONTO SIGN」を恒久的なものに交換する事を正式に発表しました。新しい「TORONTO SIGN」は、メンテナンスが容易で照明の能力も増強されました。
そして、2020年9月18日、新しい「TORONTO SIGN」は、トロント市長の「John Tory– ジョン・トリー」によって披露され、国連の「United Nations’ International Decade for People of African Descent(※)- アフリカ系の人々の為の国際連合の10年」を記念した装飾ラッピングが施されました。
Toronto say hello to your new Toronto Sign! Today, I had the honour of unveiling the new iconic landmark that we ordered last year which will be more durable and enjoyed for many years to come. #xoTO #TOsign pic.twitter.com/DqHUhEpQvP
— John Tory (@JohnTory) September 18, 2020
※United Nations’ International Decade for People of African Descent
「TORONTO SIGN」の装飾(ビニルラップ)のテーマ
「TORONTO SIGN」の文字に装飾されている「ビニルラップ」には「テーマ」が有り「タイトル」が有ります。
そして、この「TORONTO SIGN」の芸術作品とも言えるデザインは、先住民族の文化を強調することに重点を置いており、前向きな光の中で前進する継続的な関係を示すことが非常に重要としています。
また、トロント市は、「UNESCO’s International Decade of Indigenous Languages (2022 to 2032)– ユネスコの先住民族言語の国際 10 年 (2022 年から 2032 年)」 の本質や意義を理解、つまり認識しています。
2022年現在の装飾(ビニルラップ)のテーマ紹介
2022年現在の「TORONTO SIGN」に装飾されているビニルラップの「テーマ/タイトル」「製作者/アーティスト」をご紹介致します。
◆テーマ/タイトル:「Rekindle- 再燃」 (※2022年12月現在)
◆製作者/アーティスト:Joseph Segaj– ジョセフ・セガジが製作。(Holly Fischer– ホリー・フィッシャーと共同にて)。
◆製作者/アーティスト「Joseph Segaj- ジョセフ・セガジ」について:
「Joseph Segaj- ジョセフ・セガジ」は、Ontario– オンタリオ州 Thunder Bay– サンダーベイの北東約 500 km にある Neskantaga– ネスカンタガの人里離れたコミュニティの Sturgeon Clan– スタージョン一族の Anishnaabe– アニシュナーベ /Ojibwe– オジブウェ(※下記の用語説明、Anishnaabe– アニシナアベ族を参照) です。 1985年に Ontario College of Art & Design– オンタリオ・カレッジ・オブ・アート&デザイン大学(※)の Fine Arts– ファインアーツを卒業。
※が付いている用語については、下記の【用語説明】をご参照ください。
Ontario College of Art & Design(OCAD):オンタリオ・カレッジ・オブ・アート & デザイン大学は、一般に「OCAD 大学」または「OCAD」として知られ、カナダのオンタリオ州トロントにある公立芸術大学です。大学のメイン キャンパスは、トロントのダウンタウンにあるいくつかの建物や施設に広がっています。
Ontario College of Art & Design(OCAD) Official Website → https://www.ocadu.ca/
「Joseph Segaj- ジョセフ・セガジ」の 30 年のキャリアを通じて、彼は Anishnaabe(※)- アニシュナーブの祖先と遺産をさまざまな形式の芸術表現に共有できることを誇りにそして光栄に思っています。 彼は、先住民族の知識、文化、教えを最前線で取り上げてきましたが、それは彼の芸術に反映されています。現在も彼はトロントに住み、仕事を続けています。
「Joseph Segaj- ジョセフ・セガジ」に付いての詳細はコチラ→ Joseph Sagaj Independent Canadian Indigenous Artist
【※用語説明】
Anishnaabe- アニシナアベ族:
カナダとアメリカ合衆国の五大湖地域に存在する文化的に関連した先住民族のグループです。Ojibwe– オジブウェ族(Saulteaux 族 Oji-Cree 族を含む)、Odawa 族、Potawatomi 族Mississaugas 族、Nipissing 族、Algonquin 族が含まれます。
Ojibwe– オジブウェ族:
Ojibwe 族は、現在のカナダ南部、米国中西部北部、北部平野に住む Anishnaabe- アニシナアベ族です。
ちなみに、Ojibwe– オジブウェは、「皺(しわ)を寄せた moccasin– モカシン」というような意味。彼らの履く moccasin– モカシンは、甲の部分が別革を縫い合わせたタイプでした。
Ojibwe 族は、アメリカ合衆国では Cherokee– チェロキー族、Navajo– ナヴァホ族に次いで3番目、北米全体でも Cree– クリー族に次いで4番目に大きい人口を持っています。
10万人ほどがアメリカ合衆国のMichigan– ミシガン州からWisconsin– ウィスコンシン州、Minnesota– ミネソタ州、Montana– モンタナ州にかけての北部に居住し、約76,000人ほどがカナダの Ontario– オンタリオ州からBritish Columbia– ブリティッシュ・コロンビア州に居住しています。
moccasin:
moccasin の語はアメリカ・インディアン諸語の中でも Algonquian peoples(※)– アルゴンキン語族の一つ、アメリカインディアンの部族が話す Powhatan language– ポウハタン語の「makasin」に由来します。先住民やヨーロッパからの入植者たちが履いていた靴で、Native Americans– ネイティブ・アメリカンの文化において装飾性(フリンジやカラービーズなど)が発展していきました。甲部に装飾性の強い別布が縫い合わされたものもあります。固い靴底が付いたものは、20世紀初頭になってからといわれています。
3Dサイン「Maple Leaf- メイプルリーフ」
2016年12月、150th anniversary of Canadian Confederation- カナダ連邦150周年を記念して、「TORONTO SIGN」の文字「TORONTO」最後の文字「O」の横に、3Dの「メイプルリーフ」のサインが追加されました。
「TORONTO SIGN」文字に並ぶ、3D仕様のサイン「Maple Leaf」 には 14,000 個の LED ライトがついた L.E.D. テープ により、上から下まで 8 つの水平セクションに分割され、ombre blending– 濃淡や 16 インチごとの色のグラデーションが可能となっています。
150th anniversary of Canadian Confederation-カナダ連邦150周年
「The 150th anniversary of Canada– カナダ連合国150周年」は、カナダ政府が「Canada 150」として推進する 「The 150th anniversary of Confederation カナダ連邦建国150周年」とも呼ばれ、2017年、カナダは「The 150th anniversary of Confederation– カナダ連邦建国150周年」を迎えました。
Source: 150th anniversary of Canadian Confederation
「Canada 150」公式エンブレム
上記は、「Canada 150」 の公式エンブレムで、様式化された maple leaf- メイプルリーフに 13個のダイヤモンドがrepresenting provinces– 州と territories– 準州を表しています。4つの赤い菱形は、confederation(※)- 州連合時の州を表しています。
この 「Canada 150」 の公式エンブレムは、 「The Canada 150 tulip」や「The Maple Leaf tulip」などと呼ばれています。
※Canadian Confederation:カナダ連邦は、1867年7月1日にイギリス領北アメリカの3つの州、Province of Canada– カナダ州、Nova Scotia– ノバスコシア州、New Brunswick– ニューブランズウィック州が統合され、The Dominion of Canada– カナダ連邦という一つの連邦国家になったものです。カナダ連邦は1867年7月1日に Ontario– オンタリオ州、Quebec– ケベック州、Nova Scotia– ノバスコシア州、New Brunswick– ニューブランズウィック州の4つの州で構成されていました。
The Canada 150 tulip
「The Canada 150 tulip」は、「Maple Leaf tulip」としても知られていますが、「150th anniversary of Canada- カナダ建国 150 周年」の公式チューリップとして、2016 年 5月 9日 カナダの首都である Ottawa– オタワにある Commissioners Park– にコミッショナーズパークで公開されました。
この「The Canada 150 tulip」は、カナダの国旗に似た「エレガントな白、炎の様な赤色を持つもの」を選択的育種 (人工的選択)し、出来上がったチューリップです。
2016 年 9 月、チューリップの球根がカナダのホームセンターで「Home Hardware Stores Ltd.」で販売されました。
2017 年のカナダ連邦の150周年行事では、オタワの Canadian Tulip Festival(※)- カナディアン・チューリップ・フェスティバルで 200,000 個以上の「Maple Leaf tulip」の球根が植えられました。
※Canadian Tulip Festival:カナダのOntario– オンタリオ州 Ottawa– オタワで、毎年 5 月に開催されるチューリップ・フェスティバルです。 このフェスティバルは、世界最大のチューリップ フェスティバルと言われています。
Canadian Tulip Festival Official Website:https://tulipfestival.ca/
「Canada 150」異なる2つの現実
カナダには、事実として、今日の何百万人もの人々の福祉に永続的な影響を与えてきた Indigenous peoples- カナダ全土の先住民族コミュニティに対する虐待の長い歴史があります。
歴史的に、カナダの国は、住宅教育を含む抑圧的な政策を通じて、Indigenous peoples- カナダ全土の先住民族コミュニティの同化を強制しようとしました。実際のところ、今日、Indigenous peoples- カナダ全土の先住民族コミュニティは、他のカナダ人よりも平均寿命が短いだけでなく、より高いレベルの貧困に苦しんでいます。
「Canada 150」に対する、カナダの主要都市での Indigenous peoples- カナダ全土の先住民族による抗議行動は、「カナダの指導者が表現しようと努力している理想化されたカナダのバージョン」と、「虐待の歴史の結果に依然として苦しんでいるカナダ先住民コミュニティの生きた現実」との間の著しい対照に注目を集めました。
Indigenous peoples in Canada- カナダ全土の先住民族
Indigenous peoples in Canada- カナダ全土の先住民族
Indigenous peoples in Canada Total population– 総人口 / 1,807,250 / Canadian population– カナダの人口の 5.0% (※2021 年現在のデータ)
Regions with significant populations– 先住民族の人口が多い地域 | 人数 | % |
Ontario– オンタリオ州 | 406,585 | 2.9% |
British Columbia– ブリティッシュ コロンビア州 | 290,210 | 5.9% |
Alberta– アルバータ州 | 284,470 | 6.8% |
Manitoba– マニトバ州 | 237,185 | 18.1% |
Quebec– ケベック州 | 205,010 | 2.5% |
Saskatchewan– サスカチュワン州 | 187,885 | 17.0% |
Nova Scotia– ノバスコシア州 | 52,430 | 5.5% |
Newfoundland and Labrador– ニューファンドランド・ラブラドール州 | 46,545 | 9.3% |
New Brunswick– ニューブランズウィック州 | 33,295 | 4.4% |
Nunavut– ヌナブト準州 | 31,390 | 85.8% |
Northwest Territories– ノースウェスト準州 | 20,035 | 49.6% |
Yukon– ユーコン準州 | 8,810 | 22.3% |
Prince Edward Island– プリンスエドワードアイランド州 | 3,385 | 2.2% |
カナダでは、Indigenous groups– 先住民グループは、First Nations(※)- 先住民族、Inuit- イヌイット、Métis– メティスで構成されています。Indian– インディアンは法的文書で今でも一般的に使用されている用語ですが、Indian– インディアンと Eskimo(※)- エスキモーという記述子はカナダでは使用されておらず、カナダでは、「Indian と Eskimo は、pejorative– 侮蔑語である。」と考えられています。
集合名詞としての「Aboriginal peoples– アボリジニの人々は、「Constitution Act, 1982- 1982年の憲法法」を含むいくつかの法的文書で使用される特定の term of art– 業界用語ですが、ほとんどの先住民サークルではアボリジニという呼び名は嫌われています。
この呼び方は時代により変化しました。後にご紹介いたします。
【※用語説明】
First Nations:
ファースト・ネーションズは、Inuit- イヌイットでも Métis– メティスでもない Indigenous Canadian peoples– カナダの先住民族を識別するための用語です。伝統的に、カナダの First Nations は樹海の南、主に Arctic Circle– 北極圏の南側に住んでいた民族でした。カナダには、634 の公認 First Nations の政府または民族がある。 おおよそ半数は Ontario– オンタリオ州と British Columbia– ブリティッシュ・コロンビア州に位置しています。
Eskimo:
エスキモーは、イヌイット(Alaska Native Iñupiat– アラスカ先住民イヌピアト、Greenlandic Inuit– グリーンランドのイヌイット、Canadian Inuit– カナダのイヌイットを含む)と Eastern Siberia– 東シベリアと Alaska– アラスカの Yupik– ユピック(または Yuit– ユイト)の二つの近縁先住民を指すのに使われる外来語です。
Inuit:
イヌイットは、Greenland– グリーンランド、Labrador– ラブラドル、Quebec– ケベック、Nunavut– ヌナブト、Northwest Territories– ノースウェスト準州、Alaska– アラスカの北極圏および亜寒帯に住む文化的に類似した indigenous peoples– 先住民族グループです。イヌイットはカナダ北部のヌナブト準州、Quebec– ケベック州北部3分の1の Nunavik– ヌナヴィーク、Labrador– ラブラドールの Nunatsiavut– ヌナチアフトと NunatuKavut– ヌナツカフト、Northwest Territorie– ノースウエスト準州の各地、特に Northwest Territories- 北極海周辺の Inuvialuit Settlement Region– イヌヴィアルート入植地域に住んでいます。
Métis:
メティスは、カナダの Prairie Provinces– プレーリー3州、British Columbia– ブリティッシュ・コロンビア州、 Northwest Territories– ノースウェスト準州の一部、アメリカ合衆国北部に居住する先住民族です。彼らはヨーロッパ人(主にフランス人)と Indigenous peoples– 先住民族の混血という特殊な先祖に由来する歴史と文化を共有し、北米毛皮貿易の初期である18世紀半ばまでに民族生成によって別個の文化となりました。
カナダでは、2021年時点で人口 624,220 人の Métis– メティス族は、「Constitution Act of 1982– 1982年の憲法法」で法的に認められた Indigenous peoples– 先住民族の3大グループの一つで、他の2グループは First Nations– ファースト・ネーションと Inuit– イヌイットです。
source: Indigenous peoples in Canada-wikipedia, “Aboriginal peoples in Canada: Key results from the 2016 Census”
Constitution Act, 1982– カナダ憲法の一部「1982 年憲法法」
Constitution of Canada– カナダ憲法の一部に「Constitution Act, 1982– 1982 年憲法法」が有ります。
この「Constitution Act, 1982– 1982 年憲法法」は、1982年3月に英国議会が制定し Constitution of Canada– カナダ憲法の一部になりました。
「Constitution Act, 1982– 1982 年憲法法」が制定される1年前の1981 年、
新しい改正方式に関する実質的な合意に続いて、Parliament of Canada– カナダ議会は Parliament of the United Kingdom– 英国議会がカナダ憲法を改正する権限を放棄するよう要求しました。
1982 年 3 月に British Parliamen– 英国議会による憲法の移管が確認されました。
そして、この「Constitution Act, 1982– 1982 年憲法法」 の制定は、憲法の Patriation(※)を確認し、カナダに自国の Constitution– 憲法を改正する権限をカナダに移譲しました。
※ Patriation:以前の本国から新しく独立した国へ政府の権限を引き継ぐこと。”Patriation” を直訳すると「愛国心」ですが、ここで言われる Patriation とは、「1982年の憲法制定を頂点とする、カナダの完全主権に至る政治的プロセスのこと」です。
「Constitution Act, 1982」制定までの背景にある
「Statute of Westminster 1931- ウェストミンスター憲章」概説
「Statute of Westminster 1931– 1931年のウェストミンスター憲章」の制定により、カナダは、独立国家とあまり相違のない高度な自治権を得ていましたが、なお憲法典の改正などについてイギリス議会が権限を留保していました。
「Statute of Westminster 1931– 1931年のウェストミンスター憲章は、1931年12月11日にイギリスの議会が発表した憲章です。イギリス議会が制定した法律としての形式が機能します。
「Statute of Westminster 1931– 1931年のウェストミンスター憲章は、1926年に出されたBalfour Declaration of 1926– バルフォア報告書に基づいて、成立していた「Commonwealth of Nations/Commonwealth/(旧名)British Commonwealth– イギリス連邦体系」に法的根拠を与えたものです。この憲章より英国の海外自治領に外交権も与えられ、英国本国とは「国王への忠誠」で団結、つまり、同君連合(※)した平等な共同体と規定されることになりました。
「Statute of Westminster 1931– 1931年のウェストミンスター憲章は、1926年に出されたBalfour Declaration of 1926– バルフォア報告書に基づいて、成立していた「Commonwealth of Nations/Commonwealth/(旧名)British Commonwealth– イギリス連邦体系」に法的根拠を与えたものです。この憲章より英国の海外自治領に外交権も与えられ、英国本国とは「国王への忠誠」で団結、つまり、同君連合(※)した平等な共同体と規定されることになりました。
【Statute of Westminster 1931- 1931年のウェストミンスター憲章」以前の統治体制 】
「Statute of Westminster 1931– 1931年のウェストミンスター憲章」以前は上記の様な統治体制でした。
そして、英国政府が任命する総督の下で自治政府が組織されて内政に関しては自治政府が責任を負う一方で(現在でも英国の海外領土の中にはこのような体制をとるところがあります)、法的には各自治領の住民は英国民の一部であり各自治領の外交や領事業務は英国政府や同国大使館・領事館が行うのに対し、同憲章によりこの構造が下記の様な統治体制となりました。
【Statute of Westminster 1931- 1931年のウェストミンスター憲章」以後の統治体制】
現在では上記の様な統治体制となり、英国政府の干渉を全く受けない形でカナダやオーストラリア、ニュージーランドや南アフリカ連邦、また当時はカナダとは別の自治領だった Dominion of Newfoundland– ニューファンドランドが、内政や外交、軍事などを行うことができるようになりました。また、これにより正式にカナダ国籍やオーストラリア国籍などが認められることになります。
オーストラリアやニュージーランド、また Dominion of Newfoundland– ニューファンドランドはこの Statute of Westminster 1931- 1931年のウェストミンスター憲章」を当初は認めませんでした。
また、Dominion of Newfoundland– ニューファンドランドは1949年にカナダに併合されました。)
この憲章の発表の背景には World War I– 第一次世界大戦で自治領が発言権の強化を求めてきたことにあります。
そこで、自治領にある程度の独立性を付与することで、支配権を確保しようと結論したのです。
しかしこの憲章が出た以後も Irish Free State– アイルランド自由国(正式名。日本では通称アイルランドと呼ばれている)など分離独立の動きは止まず、大英帝国の解体は進んでいきます。
その後、「Constitution Act, 1982– 1982 年憲法法」の制定に伴い、カナダのイギリスからの独立プロセスが完了し、イギリス自治領としてのカナダの歴史は終わりを告げました。
【2022年現在の統治体制】
「The Charter of Rights and Freedoms– 自由と権利に関するカナダ憲章」が34条までの第一章として記されています。なお、Quebec– ケベック州はこの「Constitution Act, 1982– 1982 年憲法法」を承認していませんが、Quebec– ケベック州においても有効とされています。
この「Constitution Act, 1982– 1982 年憲法法」が制定されたことにより、Indigenous peoples in Canada– カナダの先住民の権利(将来の憲法会議のために用意されている)を保証し、将来の憲法改正の手続きを定めました。
「Constitution Act, 1982– 1982 年憲法法」の Section 35(※)- 法第 35 条は、カナダの先住民の先住民および条約上の権利を憲法上保護しています。この Section 35(※)- 法第 35 条は、カナダ憲法内にありますが、カナダの権利と自由の憲章には含まれていません。
【※用語説明】
同君連合:
同君連合は、複数の君主国の君主が同一人物である状態・体制の事。同君連合の形態は大きく2つに分けることができる。同君連合の各構成国がそれぞれ独立した主権をもち続ける人的同君連合と、各構成国を超えた中央政府が置かれて一元的にコントロールされる物的同君連合 の2つです。当時、カナダは人的同君連合の一つでした。
2022年現在では、イギリス国王と英連邦王国の諸国王(カナダ国王を含む、オーストラリア国王、ニュージーランド国王ほか)や、フランスの君主(大統領)とアンドラ共同公などが同君連合の一例ですが、いずれも政府は独立しており、それぞれ独立国です。
「Constitution Act, 1982- 1982 年憲法法」- 法第 35 条:
1982年憲法法第35条は、Indigenous peoples in Canada– カナダの先住民の先住民としての権利(aboriginal rights )および条約上の権利(treaty rights )に対する憲法上の保護を規定した条文です。
条文この規定による定めは以下のとおりです。
Constitution Act, 1982, Section 3
35. (1) The existing aboriginal and treaty rights of the aboriginal peoples of Canada are hereby recognized and affirmed.
(2) In this Act, “aboriginal peoples of Canada” includes the Indian, Inuit and Métis peoples of Canada.
(3) For greater certainty, in subsection (1) “treaty rights” includes rights that now exist by way of land claims agreements or may be so acquired.
(4) Notwithstanding any other provision of this Act, the aboriginal and treaty rights referred to in subsection (1) are guaranteed equally to male and female persons.1982 年憲法法- 法第 35 条:
source: WIkipedia-S ection 35 of the Constitution Act, 1982
第35条(1) カナダの先住民の存在する先住民としての権利および条約上の権利は、ここに承認され、かつ、確認される。
(2) この法律において、”カナダの先住民”は、カナダの Indian- インディアン、Inuit- イヌイットおよび Métis- メティを含む。
(3) なお、第(1)項においては「条約上の権利」は、土地請求権協定の手段によって現在存在し、または、そのようにして取得され得る権利を含む。(4) この法律の他の規定にかかわらず、第(1)項において規定された先住民としての権利および条約上の権利は、男女に対して等しく保障される。
この1982年憲法法第35条は、カナダ憲法には含まれていますが、カナダの権利および自由憲章には含まれません。
この条は「先住民としての権利」という擁護を定義しておらず、限定列挙もされていません。
第35条により保護を受けることが判明している権利の例としては、漁獲、木材伐採搬出、狩猟、土地に対する権利(例. Aboriginal Title(※)- 先住民権限)および条約を執行する権利です。
先住民による自治を行う権利が第35条に含まれるかどうかについては未だ議論している最中です。
2006年時点においては、Supreme Court of Canada– カナダ最高裁判所はこの問題について何の判断も下していません。しかしながら、1995年以降、カナダ政府は、第35条に基づく固有の自治権を認める政策をとってきました。
※Aboriginal Title:先住民族による慣習的土地利用に対する権利の根拠となるもの。土地所有権は先住権原から派生する実質的権利。
source: Supreme Court, “Tsilhqot’in Nation v. British Columbia, 2014 SCC 44”, June 26, 2014
http://scc-csc.lexum.com/scc-csc/scc-csc/en/item/14246/index.do/
Supreme Court, “Grassy Narrows First Nation v. Ontario, 2014 SCC 48”, July 11, 2014
http://scc-csc.lexum.com/scc-csc/scc-csc/en/item/14274/index.do
現在の先住民族の呼び方-「Indigenous peoples」
「Constitution Act, 1982– 1982 年憲法法」の Section 35(※)- 法第 35 条では、「カナダのアボリジニの人々」には First Nations– 先住民族、Inuit– イヌイット、Métis– メティ族が含まれます。
Aboriginal peoples– アボリジニは、カナダに住むすべての先住民を含む法律用語です。
Indian– インディアン という呼称が Inuit– イヌイットと Métis– メティ族を除く Aboriginal people– 先住民を指す用語として用いられていましたが、これに不快を覚える先住民もいる為、First Nations– ファースト・ネーションという呼称が1970年代から一般的に使用されていました。
そして、近年「Aboriginal peoples- アボリジニ」という呼び方は、時代遅れと見なされ始めており、徐々に「Indigenous peoples- 先住民族」という用語に置き換えられています。
それぞれの場所に異なるヨーロッパ、アフリカ、およびアジアの文化があるのと同じように、各先住民グループを異なる国として認識する努力も有ります。
IWGIA-先住民族のための国際ワークグループ-は、先住民族の権利の促進、保護、擁護を目的とする世界的な人権団体です。
IWGIA Official Website: https://www.iwgia.org/en/canada.html
source: Constitution of Canada, Parliament of Canada, Parliament of the United Kingdom, Canada Act 1982, Patriation, Statute of Westminster 1931
“Co-Created Learning: Decolonizing Journalism Education in Canada”/“University Of Guelph Brand Guide | Indigenous Peoples”
Indigenous peoples in Canada/First Nations in Canada/Wikipedia,
(※)Section 35
「Canada 150」/カナダ全土の先住民族コミュニティの現実
『Indigenous peoples in Canada- カナダ全土の先住民族』コミュニティにとって、この「The 150th anniversary of Canada- カナダ連合国150周年」は 150 年余りの抑圧を表し、残忍な植民地化と大量虐殺の祭典である。』
上記のように、Indigenous peoples in Canada– カナダ全土の先住民族は、「Canada 150」の祝典が先住民の歴史を無視し、先住民が直面している現代の苦難を軽視している事に対する抗議活動、デモなどを行いました。
約100人の抗議者がトロントの通りを行進し、反対の象徴であるカナダの国旗を逆さまにして行進しまいした。活動家たちはまた、カナダの首都、オタワにある国会議事堂 Parliament Hill– パーラメント・ヒル前に、伝統的な Indigenous peoples in Canada– カナダ先住民族の建物の一つであるテントを建てて抗議しました。
カナダ先住民族の声:
”As Ottawa spends $500 million on throwing the country a massive birthday party, many wonder what’s worth celebrating. To recognize 1867 as the birth of Canada is to celebrate the beginning of an abusive relationship.”
オタワは大規模な誕生日パーティーを開くために 5 億ドルを費やしているため、何を祝う価値があるのか、多くの人が疑問に思っています。1867年をカナダの誕生として認識することは、虐待的な関係の始まりを祝うことです。
(source: Toronto Star/June 13, 2017)
Indigenous peoples in Canada- カナダ全土の先住民族の現在の声:
安全な飲料水を利用できない地域も多く、Ontartio– オンタリオ州北部の Attawapiskat– アタワピスカットなど、さらに僻地にあるいくつかの地域では、過去 1 年間に自殺に悩まされていること等を主張しています。
2015年に Justin Trudeau– ジャスティン・トルドー氏が首相に就任した時、カナダの人口の約 4% を占める約 140 万人の Indigenous peoples in Canada- カナダ全土の先住民族と政府との関係を改善する事を誓っていました。
しかし、2年後の現在(当時2017年)、Prime Minister Justin Trudeau– ジャスティン・トルドー首相は、困っている 多くの Indigenous peoples in Canada- カナダ全土の先住民族コミュニティを支援する為に十分な事、対応をしなかったと非難しています。
カナダ先住民の活動家グループの「Idle No More(※)」の表明:
“educate Canadians about how their constitutional framework, first established 150 years ago … illegally confiscated our lands, territories, and resources, spawned by the post-confederation Indian Act and attempted to write Indigenous jurisdiction – and Indigenous Peoples – out of existence,”
「連邦後のインディアン法によって生み出された私たちの土地、領土、資源を違法に没収し、カナダ全土の先住民族の管轄権とカナダ全土の先住民族を消滅させようとした。」この 150 年前に最初に確立された憲法の枠組みについてカナダ人に教育する…
※Idle No More:Idle No More は進行中の抗議運動の名で、2012 年 12 月に 4 人の女性( Jessica Gordon, Sylvia McAdam, Sheelah McLean, Nina Wilson )によって設立されました。3 人の First Nations– ファースト ネーションの女性と 1 人の非ネイティブの同盟者です。これは、カナダの先住民族、Métis– メティス族、Inuit– イヌイット族、およびカナダの非先住民族の支持者で構成されるカナダの先住民族の間の grassroots movemen- 草の根運動です。
Idle No More Official Website:idlenomore.ca
Ontario 150 anniversary logo- オンタリオ150記念ロゴ/ wordmark
Ontario– オンタリオ州は州内 350以上の「Canada 150」イベントを支援するために700万ドルを費やしました。納税者のお金 3万ドルをかけて独自の「Ontario 150 anniversary logo– オンタリオ150記念ロゴ/ wordmark」を作ることを選択しました。
ちなみに、この「Ontario 150 anniversary logo– オンタリオ150記念ロゴ/ wordmark」のデザイン、ライセンス、および商標には、「カナダの他の法域やキャンペーンの費用に合わせて」30,000 ドルの値段でした。
結局、合計で、カナダ政府は州の 150 周年記念とインフラ計画に 1 億ドルを費やしました。
※wordmark(文字商標):主に会社や団体、商品の名前をその文字のみを用いて整形したものを指します。名前にアイデンティティを持たせる為、ブランディングに使う為などに作られます。例として、コカ・コーラ、マイクロソフト、カナダ政府、IBM、CNN、P&G、HBO、LG 等があげられます。特に組織の名前が視覚的に覚えやすいよう、シンプル且つ鮮明に作られます。文字をこのように表現することによって、 wordmark はその組織、または商品のシンボルとなります。
Rubber Duck- 巨大なゴム製のアヒル
オンタリオ州の 150 周年を記念する「Ontario 150 Tour」がトロントで始まった際、上の画像のように、トロントの Royal Canadian Navy ships– カナダ海軍の船、2007 年から世界中を旅している 30,000 ポンドの「giant rubber duck/Rubber Duck– 巨大なゴム製のアヒル」が登場しました。
この Rubber duck は、オランダのアーティスト、Florentijn Hofman– フロレンティン・ホフマンにがデザインした黄色いゴム製のアヒルの巨大な浮遊彫刻のシリーズです。香港、ピッツバーグ、トロント、高雄、バクー、ロンドン、シドニー、そして日本など、世界中の多くの都市に登場しています。
数年前から、Rubber duck を知っていた「Ontario 150 co-producer Lea Parrell– オンタリオ 150 の共同プロデューサーである Lea Parrell 氏」が、トロントで始まった「Ontario 150 Tour」に 起用したものでした。
そして、この祝典の一部として巨大なゴム製のアヒル「giant rubber duck」を取り上げたことについては批判され、ある評論家は、「It’s an absurd waste of taxpayers’ dollars.– 納税者のドルの不合理な浪費だ」と述べています。
source: thestar.com/nationalpost.com
日本では、2022年12月にも、大阪の中の島に「giant rubber duck」が出現しています。(下記画像)
大阪・光の饗宴実行委員会事務局が運営するイベントにて、
『喜びや幸せの象徴として世界中の水辺を旅する 黄色いアヒル「ラバー・ダック」』として紹介されています。
カナダ先住民族への姿勢/カナダ首相 Justin Trudeau氏
カナダの Prime Minister Justin Trudeau– ジャスティン・トルドー首相は、オタワにある国会議事堂 Parliament Hill– パーラメント・ヒルの前に設置されたカナダ先住民のテントの中で、Canada Day celebrations– カナダデーの祝賀会に先立って抗議する先住民の活動家と45分会談を行いました。
Prime Minister Justin Trudeau– ジャスティン・トルドー首相は、カナダ政府が先住民コミュニティを無視し、彼らとの関係を強化できなかった歴史があること下記の通り認めました。
“It is important that even as Canadians celebrate Canada 150 we reflect upon the experiences and the importance of folding in and hearing the stories and experiences of Indigenous Canadians,” Mr Trudeau told reporters when asked about the teepee protest.”
「カナダ人がカナダ150周年を祝っている時でさえ、カナダ先住民族の話や経験に耳を傾けることの重要性と経験を熟考することが重要です」
“We recognise over the past decades, generations, indeed centuries, Canada has failed Indigenous peoples … I can understand the impatience from many people.”
「過去数十年、何世代にもわたって、実際何世紀にもわたって、カナダは先住民族を裏切ってきたことを認識しています…多くの人々の焦りは理解できます。」
”Indigenous groups have made it clear for months that they believe the 150th anniversary celebrations gloss over a history of abuse committed against members of their communities.”
「先住民グループは、150周年記念式典が、彼らのコミュニティのメンバーに対する虐待の歴史を覆い隠していると信じていることを何ヶ月も明らかにしてきました。」
「TORONTO SIGN- トロント・サイン」の
3Dサイン「Medicine Wheel- メディスン・ホイール」
「TORONTO SIGN」に新たに追加された 3Dの「Medicine Wheel– メディスン・ホイール」は、2018 年 6 月 18 日に先住民族に敬意を表して設置され、6 月 21 日の National Indigenous Peoples Day– 先住民族の日 (正式には National Aboriginal Day– 国立アボリジニの日) の意識を高めるために設置されました。
「Medicine Wheel– メディスン・ホイール」 は、Toronto Council Fire Native Cultural Centre と協議の上、北米先住民族の文化的価値観、伝統、精神性の象徴、シンボルとして選ばれました。
「Medicine Wheel- メディスン・ホイール」の4 つの方向 (東、南、西、北) は、
東=WEST=completeness- 完全性、
南=RED=wholeness- 全体性、
西=EAST=connectedness- つながり、
北=White=strength- 強さを象徴しています。
(source: City of Toronto/ Medicine Wheel)
この変更では、文字「TORONTO」の最初の文字、「T」の隣に、3Dの「medicine wheel– メディスン・ホイール」と、様々「First Nations– 先住民」のシンボルが描かれた白樺の樹皮模様からなる各文字の新しいビニール・ラップが加えらました。
現在、その装飾ビニール・ラップは取り外されましたが、「medicine wheel– メディスン・ホイール」は残っています。
「TORONTO SIGN」の現代の「 Medicine Wheel– メディスン・ホイール」のシンボルは、1972年頃に Charles Storm– チャールズ・ストーム(別名 Arthur C. Storm– アーサー・C・ストーム)により教材として考案されたもので、その後、Hyemeyohsts Storm– ヒメヨスト・ストームの名で執筆されました(※)。
それ以来、様々な人々によって、Native American religions– ネイティブアメリカンの宗教に基づくもの、新たに考案された New Age– ニューエイジの方向性のものなど様々な概念を象徴するために使用されています。また、一部の pan-Indian– パン・インディアン主義において共通のシンボルとなっています。
The Medicine Wheel & its four directions symbolize completeness, wholeness, connectedness & strength. This important Indigenous symbol is one of 11 on the Toronto Sign into the fall of 2018. Find out more about them & how to get an emoji of them at https://t.co/oDxVS5K0ze #xoTO pic.twitter.com/21x3T7hP5H
— City of Toronto (@cityoftoronto) July 31, 2018
※Medicine Wheel symbol:Shaw Christopher (August 1995)の記事 “A Theft of Spirit?”に紹介されています。
※New Age:1970年代初頭に西洋社会で急速に広まった、さまざまな精神的・宗教的実践や信条。
非常に折衷的で非体系的な構造である為、正確な定義は困難とされています。
※pan-Indian:パン・インディアン主義とは、部族の区別や文化の違いに関係なく、アメリカ大陸の異なる先住民族の間で統一とある程度の文化の均質化を促進する哲学的・政治的アプローチのことを指します。
「Medicine wheel- メディスン・ホイール」とは
「Medicine wheel- メディスン・ホイール」とは、 北米の一部の先住民、特に Plains Indians にとって、ヒーリング・ワークや他の文化的概念を説明する等、様々な精神的な概念の metaphor– メタファーとなっているものです。
多くの pan-Indian– パン・インディアングループや、他の先住民族(祖先が伝統的に Medicine wheel- メディスン・ホイールをシンボルや構造物として使用していなかった民族)によって、シンボルとして採用されています。また、非先住民、通常は New Age– ニューエイジのコミュニティと関連する人々によって採用されています。
2005年、Royal Alberta Museum– ロイヤル・アルバータ・博物館は、「Medicine Wheel– メディスン・ホイール」という用語は、現存する最南端の考古学的な車輪である、アメリカの Wyoming– ワイオミング州の「Big Horn Medicine Wheel– ビッグホーン・メディスン・ホイール」に初めて適用されたとしています。「medicine– メディスン」という用語は、薬師車輪と関連した治癒があった為に適用されたのではなく、聖地と岩層が中心的に重要で、宗教的、神聖、霊的意義を持っているとされることを示しています。
歴史的に見ると、ほとんどの 「Medicine Wheel– メディスン・ホイール」は、石の中心に、その周囲を、中心から東、南、西、北の各枢軸方向に放射状に伸びる「spokes– スポーク」(lines of rocks– 石の線)を持つ石の外輪が囲むという基本パターンを持っています。そしてこれらの石造物を、具体的な言葉で呼ぶ以外は、作った国の言葉で「Medicine Wheel– メディスン・ホイール」と呼んでいます。
Medicine Wheels- メディスン・ホイール/一般的な解釈
「Medicine Wheel– メディスン・ホイール」のバージョンのほとんどにおいて、シンボルである four quadrants– 4象限は、4 つの「主要な方向」、人生の 4 つの「段階」、人類の 4 つの「人種」、4 つの「重要な美徳」の選択、または 4 で割ることができるほぼ全てのものを表す等、様々に言われています。 そして、様々な目的の為に常に再解釈されています。ただし、以下に示すように、「Medicine Wheel– メディスン・ホイール」には多くの一般的な解釈が有ります。
Color:色 | White | Yellow | Red | Black |
Cardinal direction:枢機卿の方向 | North | East | South | West |
Element:エレメント | Air | Fire | Water | Earth |
Race:人種 | White | Asian | Indigenous | Black |
Celestial body:天体 | Stars | Sun | Moon | Earth |
Time of day:時刻 | Midnight | Dawn | Noon | Dusk |
Stage of life:人生のステージ | Death | Growth | Birth | Maturity |
Season:季節 | Winter | Spring | Summer | Autumn |
Virtue:美徳 | Intellect – mind | Emotional – heart | Spiritual – soul | Physical – body |
Natural component:天然成分 | Animal | Mineral | Plant | Human |
Sacred medicine:神聖な薬 | Sweetgrass | Tobacco | Cedar | Sage |
source: Bob Joseph (May 24, 2020)/”What is an Indigenous Medicine Wheel?”
source: urbantoronto.ca/2018/06/
TORONTO SIGN のトリビア-「12」
- 「TORONTO SIGN」の文字のフォントは、「Azo Sans Bold」。
- 「TORONTO SIGN」の各文字は単独で移動・配置が可能。 ー 各文字は移動して個別に配置できます
- 「TORONTO SIGN」の各文字の高さは、約 3メートル(10 ft)で、重量のある台座の上に乗ってる。
- 「TORONTO SIGN」の文字全体の長さは、約 2メートル(74 ft)。
- 「TORONTO SIGN」看板全体の総重量は、約 9,207kg(20,300 lbs -ポンド)。
- 「TORONTO SIGN」の各文字の重さは、約 136 kg (300 lbs -ポンド)
- 「TORONTO SIGN」の各文字のベース(台座)の重量は、約 1,180 kg (2600 lbs -ポンド)
- 「TORONTO SIGN」の各文字には L.E.D.ライトが搭載され、Wifi経由で制御されながら、約2億2800万色に変化することが可能。
- 「TORONTO SIGN」文字に並ぶ「Maple Leaf」 には 14,000 個の LED ライトを含み、上から下まで 8 つのセクションに分割されている為、 ombre blending- 濃淡や色のグラデーションが可能。
- 「TORONTO SIGN」作品全体には、約 396.24メートル(1300 ft)のL.E.D.ライトが搭載されている。
- 「TORONTO SIGN」の文字は、スチールフレーム、aluminum cladding- アルミニウムクラッディング(アルミニウムと異種の金属同士の結合物)、半透明のポリカーボネート(Alupanel)で構成されています。
- 「TORONTO SIGN」のカラフルな側面は、取り外しが可能なビニルラップになっており、別の機会に異なるデザインのビニルで文字を張り替えることが可能。
source: toronto.ca/Wayback Machine
TORONTO SIGN- トロント・サイン
「3Dサイン・文字のデザインが意味するもの」
上画像の左から順に…
1. The Medicine Wheel:メディスンホイール。先住民族の文化的価値観、伝統、精神性に基づいています。その 4 つの方向 (東、南、西、北) は、完全性、全体性、つながり、強さを象徴しています。
(source: TPH Toronto’s First Indigenous Health Strategy )
2. Lacrosse Sticks:ラクロススティック。500 年以上前、 Indigenous Peoples- 先住民族は Great Spirit– グレート スピリットに感謝する方法として lacrosse– ラクロスをプレーしました。また、外交的な同盟関係を強化し、社会的な適合性と経済的な平等を支援するためにプレーすることができました。
(source : The Canadian Encyclopedia – Lacrosse)
3. Inukshuk:イヌクシュク。北極の風景によく見られるイヌイットの石造りの建造物である Inukshuk– イヌクシュクは、陸と海を旅する旅行者に道標としての役割を果たし、快適さ、アドバイス、spatial orientation- 空間的な方向性を提供します。
(source : Toronto Inukshuk Park)
4. Fire:火。火の賜物は新しい命を与えると信じられており、多くの場合、豊饒(ほうじょう:土地が肥沃で作物がよく実る事)と関連付けられています。火は、新しい生命をもたらし、生命を奪う可能性があるため、細心の注意と注意が必要な要素です。
(source : Assembly of First Nations – Honouring Fire)
5. Feathers:羽。鷲の羽は力強さを表現しています。羽の中の中羽根は、誰もが一生の間に歩む道を象徴し、中羽根から出る棒は、誰もが人生において持つ選択を象徴し、全ての選択は、その中道や本道に付随していることを表しています。
(source: Silver FX – Native Symbols)
6. Dreamcatcher:ドリームキャッチャー:精神的、肉体的な苦痛を感じている人は、癒しの旅に出ることを選択することができます。これは、ドリームキャッチャーを作るというものです。コミュニティや heale– 信仰療法を行う人のサポートを受けながら、ドリームキャッチャーを完成させ、自分の痛みとの向き合い方を学びました。
(source: the Nation – The story of the dream catcher)
上画像の左から順に…
7. Two row wampum belt: 2列のワンパムベルト。この線は、先住民がカヌーで、非先住民が船で、生命の川を旅する方法に対する敬意を表しています。不干渉、平和、友情、尊敬の原則を尊重するものです。ベルトの端は未完成で、条約がないことを意味しています。
(source: TPH Toronto’s First Indigenous Health Strategy)
8. Turtle:亀。亀は健康と長寿の象徴であり、北アメリカや世界とも呼ばれる Turtle Island– 亀島の創世の物語で重要な役割を担っています。
(source: CBC – Turtle Island – wheres that?)
9. Sweetgrass Braid:スウィートグラス。スウィートグラスは母なる大地からの贈り物であり、彼女の髪の一部と言われています。この植物は強さと優しさを促進します。スウィートグラスを編み込むとき、その一本一本が心、体、精神を表します。
(source: Ojibwe Resources – Ojibwe Medicines)
10. Ojibway Canoe:The birch バーチバークカヌー。バーチバークカヌーは、東部森林地帯の先住民や、後にカナダでの毛皮貿易で大活躍した航海者たちにとって、主要な水上交通手段でした。
(source: The Canadian Encyclopedia – Birchbark Canoe)
11. Métis Sash:メティスサッシュ。Métis Nation– メティス民族の最も顕著なシンボルのひとつが、色鮮やかな織物の sash– サッシュ(主に儀礼的な場面で身体に着用するリボンや帯、たすきの一種)です。機能的なだけでなく、この sash– サッシュはカラフルで、メティス族の衣服であることが一目瞭然です。sash– サッシュはキーホルダー、救急箱、手ぬぐい、タオル、緊急用手綱、サドルブランケット(鞍下、鞍敷。馬の鞍の下に敷く敷物)として使用され、両端のフリンジは裁縫道具になりました。20世紀には、sash– サッシュは新たな意味を持ち、メティス族の誇りとアイデンティティを象徴するものとなりました。
source: https://www.toronto.ca/city-government/awards-tributes/tributes/toronto-sign/
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