カナダ、日常生活の変化
COVID-19初症例から1年経過の現在
ちょうど今から1年前の2020年1月25日、カナダ人は変わらずいつものように生活していました。通勤したり、友人を訪問したり、外食したり、愛する人との抱擁、休暇を楽しんだりと。しかし、カナダで最初となる新型コロナウイルス(COVID-19)感染者が出たその日に、現在行われている様な一連の出来事が動き出し、いつも生活が全てが変わりました。
2020年3月までに、新型コロナウイルス(COVID-19)感染者が増加し、カナダ保健省は、カナダ人の生活を根本的に変える一連の措置を実施し始めました。 ロックダウンと距離を置くことによって、会社は自宅から仕事に移るようになり、移動制限、マスク着用規則、主要イベントのキャンセル、そして愛する人にでさえ会わないようにと求められ、ビデオ会議に取って代わりました。
カナダ人の日常生活における最大の変化
Association for Canadian Studies- カナダ研究協会の Jack Jedwab- ジャック・ジェドワブ会長は次のように述べています。
「カナダ人の日常生活における最大の変化は、友人、家族、同僚からの孤立です。」
「その根本的な変化は、私たちの移動性に対する制限にあると思います。これらの移動性に対する制限は、家族や友人との交流や、日常生活で見慣れている人々とのスクリーン越しではない直接的な接触等、様々な形に至りま。」
「カナダでは、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大・パンデミックの影響を受けていない人はほとんどいませんが、女性、カナダへの移民等の新規参入者、そして既に経済的にも社会的にも脆弱な人々が、特に雇用の喪失によって最も深刻な影響を受けているようです。」
実際に、2021年9月に Association for Canadian Studies- カナダ研究協会の Jack Jedwab- ジャック・ジェドワブ会長のグループに対して行われたオンライン調査によると、回答者1500人のうち90%以上が、新型コロナウイルス(COVID-19)によって生活が変わったと回答し、最も大きな要因は家族や友人に会えない事でした。
様々なグループのカナダ人が、COVID-19によって日常生活がどのように変化しているかを見てみましょう。
シニア層における日常生活の変化
78歳の Bill VanGorder- ビル·ヴァン・ゴーダーさんの例
Halifax– ハリファックス出身の78歳の Bill VanGorder– ビル·ヴァン・ゴーダーさんにとって、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大・パンデミックは、彼の活発な社会生活と、地元の劇場や音楽の現場での好きなボランティア活動を一時的に中断させました。
Bill VanGorder- ビル·ヴァン・ゴーダーさんは電話でのインタビューで次の様に話ています。
「ご存じのように、劇場の人たちはハグが大好きで、この時代にハグができない事は、おそらく最も困難な事の1つだと思います。自分を幸運だと思っています。なぜなら、少なくとも私と妻の Esthe– エスターは、完全に孤立している多くの独身の友人とは違って、一人ではないからです。新型コロナウイルス(COVID-19)による深刻な合併症のリスクが高い高齢者の多くは、家族とのつながりを維持したり、家事を手伝ってくれる人を探したりするのに苦労しています。」
カナダ退職者協会で働く Van Gorder- ヴァン・ゴーダー氏の例
Canadian Association of Retired Persons- カナダ退職者協会で働いている Van Gorder- ヴァン・ゴーダー氏は、次のように話しています。
「特に、高齢者がワクチンをいつ入手できるかについて、政府が明確でないメッセージを送っている事が、既に神経質になっている高齢者の間に『システムに対する大きな不安と不信感をもたらしている』と考えています。」
「しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大・パンデミックが厳しい状況が続いている一方で、”silver linings- 希望の兆し”が有ります。」
「私の友人の多くは、コミュニケーションを取る為の基盤・術、プラットフォームとなる、Zoom や Face Time 等の使い方を学んでいます。これらは高齢者が親戚と連絡を取り合ったり、コミュニティとつながるのに役立ちます。もちろん、この知識は、新型コロナウイルス(COVID-19)が収束した後も継続し、本当に前進する事になると思います。そうすれば、高齢者は、周囲で起こっている事の全てに対し、より深く関わる事ができると思います。」
最後に、彼は,事態が正常に戻ったら、まずは孫や劇団員を抱き締める事だと言いました。
大学生における日常生活の変化
カナダの学生団体連合の会長を務める Bryn de Chastelain- ブライン・デ・チャステレイン氏の例
St. Mary’s University in Halifax and the chair of the Canadian Alliance of Student Associations– ハリファックスのセント・メアリーズ大学で勉強しているオンタリオ州在住で、カナダの学生団体連合の会長を務める Bryn de Chastelain– ブライン・デ・チャステレイン氏によると、狭い居住区、家に帰ることができないこと、経済的な不安、就職市場の不確実性などが、多くの学生にとって「孤立感の増大」の一因になっているとのことです。
大学は、オンラインでの授業を行う様になった為、多くの生徒は狭い空間での生活や勉強に適応する事となり、生涯の友情やソーシャルネットワークを築く事が重要となるこの段階で、現在、友人やキャンパス生活から孤立した状態を必要とされています。
学校は生徒を支援する為に最善を尽くしてきたと Bryn de Chastelain– ブライン・デ・チャステレイン氏は信じている一方、多くの生徒が彼らの精神衛生上の問題を抱えているのを目の当たりにしていると Bryn de Chastelain– ブライン・デ・チャステレイン氏は言います。
「多くの生徒は、家庭で学び、オンラインで学ぶ事に対して、本当に苦労しています。また、オンライン環境では、生徒がいつも取り組んでいる多くの目標を達成する為のストラテジー(計略)を再現するのは非常に難しい事だと思います。」と、Bryn de Chastelain– ブライン・デ・チャステレイン氏は述べています。
保護者における日常生活の変化
カナダ全州の学校は、2020年の春に数ヶ月間に渡り閉鎖されました。その為、保護者にとっては、突然、フルタイムの育児や仕事、家族の安全を確保する事を迫らる困難な時期を迎えました。
秋の学校再開は、各省の新型コロナウイルス(COVID-19)感染の状況や取り組みによって異なる課題をもたらしました。 オンタリオ州では、フルタイムのオンライン学習を選択する保護者もいれば、Doug Ford– ダグ・フォード首相が冬休みを延長する事を決め声明を発表すると、強制的にオンライン学習を選択する保護者もいました。ほとんどの学生にリモート学習の許可されていないケベック州では、仕様が無く子供をクラスに戻すしかなかった保護者もいます。
モントリオールに住む 2児の父親である Doug Liberman- ダグ・リベルマン氏の例
「子供だけでなく、仕事、生活関係など、あらゆるものにとって不明確・不確実性が新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の課題になっていると思います。」
「私にとっての最大の課題は、家族の健康と安全のバランスと、食品製造業の継続と、10歳と12歳の2人の娘のいつも通りの日常感・正常感の維持です。」
「その為に、私たちは、多くのスクリーンタイムを受け入れるだけでなく、屋外で過ごそうとする事を意味しています。つまり、私たちにとって、一日一日を大切にする事が、いつも通りの日常感・正常感の維持する事につながると思います。」
「確かに、我々にも答えはないと思います。皆さんと同じ様に、我々もできる限り最善を尽くしてきたと思います。」
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