Pfizer-ファイザー社とModerna-モデルナ社のCOVID-19ワクチンを比較
アメリカ食品医薬品局(FDA:US. Food and Drug Administration)の承認を得る
数カ月間の期待の末、アメリカ食品医薬品局 (FDA) は Pfizer-BioNTech- ファイザー・バイオンテック社製の COVID-19ワクチンの使用を承認しました。 そしてまた、FDAは12月17日に Moderna-モデルナ社製の COVID-19ワクチンを承認するかどうかの投票を行う事が決定しました。
source: news10.com
Pfizer-ファイザー社製の後を追って出た、Moderna-モデルナ社のCOVID-19ワクチン
米食品医薬品局(FDA)は、3万人以上を対象に実施中のフェーズ3臨床試験における、Moderna- モデルナ社製ワクチンの性能に関する詳細な分析結果を発表しました。
その結論、「Moderna- モデルナ社製ワクチンを接種した人の 94.5%がCOVID-19の予防に効果が有る。」と確認されました。
米食品医薬品局(FDA)の独立系科学者や他の専門家による諮問グループ(Vaccines and Related Biological Products Advisory Committee)は、データを精査した後、12月17日(木)、Moderna- モデルナ社製ワクチンの緊急使用認可を承認するかどうかを投票します。 問題なければ、数日以内にFDAの認可が得られます。(source: latimes.com)
【参考】Moderna-モデルナ社製ワクチンの性能の詳細分析(PDF): detailed analysis of the Moderna vaccine’s performance
FDA(US. Food and Drug Administration): アメリカ食品医薬品局:
アメリカ食品医薬品局は、アメリカ合衆国保健福祉省(Department of Health and Human Services, HHS)配下の政府機関。連邦食品・医薬品・化粧品法を根拠とし、医療品規制、食の安全を責務としています。
Official Website: https://www.fda.gov/
Facebook: https://www.facebook.com/FDA
You Tube: https://www.youtube.com/user/USFoodandDrugAdmin
Podcast etc.: https://www.fda.gov/about-fda/contact-fda/subscribe-podcasts-and-news-feeds
Pfizer-ファイザー社製とModerna-モデルナ社製のCOVID-19ワクチンを比較
投与方法:
両者共に2回に分けての投与して使用し、効果を得られる仕様です。
保存・使用準備方法:
Pfizer-BioNTech– ファイザー・バイオンテック社製ワクチンは、華氏-112度から-76度の温度で保存され、5回分の薬瓶に入れて分配されるます。そして、投与する前には、塩化ナトリウムで0.9%希釈する必要が有ります。
Moderna- モデルナ社製ワクチンは、華氏マイナス13度からマイナス5度の温度で保存され、10回分の薬瓶に入れて配布されます。投与前に薄める必要は有りません。
使用対象年齢:
米食品医薬品局(FDA)の報告書によると、Pfizer-BioNTech– ファイザー・バイオンテック社製ワクチンは16歳以上の人に使用が認められており、Moderna- モデルナ社製ワクチンは18歳以上の人に使用が認められている。
使用方法:
Pfizer-BioNTech– ファイザー・バイオンテック社製ワクチンは21日間隔で2回接種することになっています。
Moderna- モデルナ社製ワクチンは28日間隔で2回接種することになっています。
臨床試験人数:
Pfizer-BioNTech– ファイザー・バイオンテック社製ワクチンには3万6621人が参加しました。
Moderna- モデルナ社製ワクチンの臨床試験には3万0350人が参加しました。
両者のCOVID-19ワクチンの仕組み
Pfizer-BioNTech– ファイザー・バイオンテック社製ワクチンと Moderna- モデルナ社製ワクチンは両者共に同様、COVID-19の原因となるコロナウイルスを攻撃する為に、COVID-19ウイルスの遺伝コードの断片を配布し、免疫システムを活性化させる仕組みです。
その遺伝コードとは、メッセンジャーRNA、またはmRNAとして知られていますが、ウイルスの表面に付着する スパイクタンパク質のコピーを作るよう体に指示します。免疫システムは抗体を作り出し、実際の感染に直面するまで待機します。
では、次に、Pfizer-BioNTech– ファイザー・バイオンテック社製ワクチンと Moderna- モデルナ社製の COVID-19 ワクチンのワクチンの異なる点について、詳しく見てみましょう。
COVID-19ワクチンの全体的な効果はどの程度か?
Moderna- モデルナ社製ワクチンは、2回目の投与から7週間の中央値(4週と4日目)を迎えた被験者において、COVID-19の予防に94.5%の効果がありました。
ワクチンを投与された13,934人の被験者のうち5人がCOVID-19を発症したのに対し、プラシーボ(偽薬)投与者13,883人の被験者のうち90人がCOVID-19を発症しました。
Pfizer-BioNTech– ファイザー・バイオンテック社製ワクチンは、2回目の投与から2ヵ月間の中央値(1か月目)を迎えた被検者において、COVID-19の予防に95%の効果がありました。
ワクチンを投与された18,198人の被験者のうち8人がCOVID-19を発症したのに対し、プラシーボ(偽薬)投与者18,325人の被験者のうち162人がCOVID-19を発症しました。
高齢者にCOVID-19ワクチンの効果は有るか?
フェーズ3において、Moderna モデルナ社製ワクチンは65歳以上の人に100%有効でした。
また、18歳から64歳までの人には93.4%の有効性が確認されました。
フェーズ3において、Pfizer-BioNTech– ファイザー・バイオンテック社製ワクチンは56歳以上の人に93.7%の有効性を示しました。
また、16歳から55歳までの人には95.6%の有効性が確認されました。
持病がある人にCOVID-19ワクチンの効果は有るか?
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響を受けやすいとされる持病がある人は、持病がない人よりも、両者のワクチンの効果がわずかに高かった事が確認されました。
Moderna モデルナ社製ワクチンは、慢性肺疾患、重大な心疾患、糖尿病、肝臓病、HIV、重度の肥満など、特定の健康問題を抱えている人に95.9%の有効性を示しました。これらの疾患のない人には94%の効果がありました。
Pfizer-BioNTech– ファイザー・バイオンテック社製ワクチンは、より広範囲の健康問題を抱えている人には95.3%の効果があり、健康問題を抱えていない人には94.7%の効果がありました。Pfizer-BioNTech– ファイザー・バイオンテック社製ワクチンの試験では、Moderna モデルナ社製ワクチンの試験で検討された健康問題に加えて、がん、腎臓病、認知症、血管疾患などの疾患を持つ人に対するワクチンの効果も検討されました。
【参考】新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響を受けやすいとされる持病例:https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/need-extra-precautions/people-with-medical-conditions.html
CDC (Centers for Disease Control and Prevention) : アメリカ疾病予防管理センター
Offisial Website: https://www.cdc.gov/
Facebook: https://www.facebook.com/CDC
Instagram: https://www.instagram.com/CDCgov/
You Tube: https://www.youtube.com/user/CDCstreamingHealth
有色人種にCOVID-19ワクチンの効能は有るか?
Moderna モデナ社製ワクチンの試験で、ワクチンを受けた後にCOVID-19を発症した5人のうち、全員が白人でした。その結果、Moderna モデルナ社製ワクチンは、黒人、ラテンアメリカ人、アジア系アメリカ人、および人種が混在する人々に100%有効でした。ネイティブアメリカンや太平洋島民については、ワクチン群、プラシーボ(偽薬)投与者のいずれにおいてもCOVID-19の症例がなかったため、ワクチンの有効性を判定することはできませんでした。
第3相試験では、Pfizer-BioNTech– ファイザー・バイオンテック社製ワクチンは黒人被験者に100%、ラテン系被験者に94.5%の有効性を示しましたが、白人被験者の94.7%の有効性をわずかに下回っています。また、アジア人では74.4%、ネイティブアメリカンと太平洋島民では100%の有効性を示しました。多人種と記載されている人では、有効率は10.4%にとどまり、ワクチンを接種した人ではCOVID-19の1例、プラシーボ(偽薬)投与者では1例で有りました。
COVID-19ワクチンは男女で同様の効果が有るか?
両者、どちらのワクチンも女性よりも男性の方がわずかに効果がありました。
Pfizer-BioNTech- ファイザー・バイオンテック社製ワクチンは男性で95.3%、女性で93.9%の効果がありました。
Moderna モデルナ社製ワクチンは男性で95.5%、女性で93.5%の効果がありました。
COVID-19ワクチンは重症化を予防できたか?
Pfizer-BioNTech- ファイザー・バイオンテック社製ワクチンは、重症化したCOVID-19の症例の予防に66.4%の効果があった。
2回の注射を受けた後に重症化した4人の研究参加者のうち、1人はワクチンを接種し、3人はプラシーボ(偽薬)投与者を接種しました。プラセボ群のうち2人は入院し、そのうち1人は集中治療室に入院しました。
Moderna モデルナ社製ワクチンは重症COVID-19の予防に100%効果がありました。
試験に参加した11人が重症化しましたが、その全員がプラシーボ(偽薬)投与者を投与されたグループにいました。そのうち3人は入院するほど重症化しました。
COVID-19ワクチンの副作用はどうか?
両者、どちらのワクチンも緊急使用認可を得られないような問題は起こらなかったと、FDA(US. Food and Drug Administration): アメリカ食品医薬品局は結論付けました。
報告される主な副作用例:
注射部位の短期的な痛み
注射部位の短期的な痛みは両方のワクチンと非常に一般的でした。
約 90 % Moderna モデルナ社製ワクチンを得た人の約 80 % Pfizer-BioNTech- ファイザー・バイオンテック社製ワクチンを得た人の約 80 % のような 2 回の投与後にそのような痛みを報告しました。両方の試験では、注射部位の痛みは、はるかに少ない一般的なプラシーボ(偽薬)投与者の人々のためのものでした。
両者のワクチン共に、非常に一般的な注射部位の短期的な痛みが報告されました。Pfizer-BioNTech- ファイザー・バイオンテック社製ワクチンを接種した人の約 8 割、Moderna モデルナ社製ワクチンを接種した人の約 9 割が 2 回目以降にそのような痛みを報告ました。どちらの治験でも、プラシーボ(偽薬)投与者には、注射部位の痛みは稀に確認されました。
倦怠感、頭痛、筋肉痛、悪寒、関節痛
両者ワクチンの副作用で最も多かったのは、倦怠感、頭痛、筋肉痛、悪寒、関節痛でした。
最も多く報告された副作用は、Pfizer-BioNTech- ファイザー・バイオンテック社製ワクチンの注射部位の反応(84.1%)と、Moderna モデルナ社製ワクチンの注射部位の痛み(91.6%)でした。
しかし、これらの副作用は Pfizer-BioNTech- ファイザー・バイオンテック社製ワクチンよりも Moderna モデルナ社製ワクチンの方が多く報告されています。
例えば、Moderna モデルナ社製ワクチンの2回目の接種後、参加者の63%に頭痛、68%に疲労、45%に関節痛、48%に悪寒がありました。
Pfizer-BioNTech- ファイザー・バイオンテック社製ワクチンの試験では、2回目のワクチン接種後、参加者の39%に頭痛、51%に疲労感、19%に関節痛、23%に悪寒がありました。
報告される主な副作用例:一覧
Pfizer-BioNTech- ファイザー・バイオンテック社製ワクチン
注入部位反応 -84.1%
疲労 -62.%
頭痛 – 55.1%
筋肉痛 -38.3%
悪寒-31.9%
関節痛 – 23.6%
熱病 – 度2
Moderna モデルナ社製ワクチン
注射部位の痛み – 91.6%
疲労 -68.5%
頭痛 – 63%
筋肉痛-59.6%
関節痛 – 44.8%
悪寒 43.4%
【参考】詳細な報告書(PDF):
Pfizer: https://www.fda.gov/media/144245/download
Moderna: https://www.fda.gov/media/144434/download
深刻な副作用率
FDA(US. Food and Drug Administration): アメリカ食品医薬品局は、2回目以降に副作用が起こりやすいことを発見しました。
Pfizer-BioNTech- ファイザー・バイオンテック社製ワクチンを投与した被験者のうち、0~4.6%に深刻な副作用が報告されました。
Moderna モデルナ社製ワクチンを投与した被験者のうち、0.2 ~ 9.7%に深刻な副作用が報告されました。
年齢による副作用の発症率
両者、どちらのワクチンも臨床試験の結果,高齢者が副作用を経験しやすいことが分かりました。
FDA(US. Food and Drug Administration): アメリカ食品医薬品局によると、下記の事が分かりました。
Pfizer-BioNTech- ファイザー・バイオンテック社製ワクチンに関しては、55歳以上の人が副作用を受けやすい。
Moderna モデルナ社製ワクチンに関しては、65歳以上の人が副作用を受けやすい。
コメント